ドリーム小説
マルコとの戦いから数週間が経過していた。負傷したの右腕もほぼ治りかけた頃だった、彼女の元に次の任務がくだったのは
「え・・・。潜入捜査、ですか?」
「あぁ、そうだ。場所はここより南西に30q先にある春島リセロ島。目標は西の海(ウェストブルー)出身の海賊、スパイス海賊団。懸賞金は1億2000万だ。島に停泊して2週間ほど経つ。ログは2日でたまる島のはずだが停泊期間が長すぎるのでな、偵察に行かせたのだが奴らが停泊している村全体が焼け野原のようになっていると報告を受けた。詳細はわからんが、村人が人質にとられている可能性も低くない。ということで、」
「何が『ということで』なのかわかりませんが・・・」
「見てこい」
「わぁ・・・やっぱり。随分あっさりとした指令ですね。まぁ勿論任務なので行きますが。しかし何故私単独で?」
相手は億越えの一団ですよ。一人きりで任務にあたれって・・・。抗議というほどではないがはちょっと疑問に感じた。するとセンゴクはやや不機嫌そうに鼻息を荒くする
「CP9の司令本部から催促が来た。、お前の道力値やらその他諸々の数値を測りたいから一人きりで任務にあたらせろとな」
「CP9?またですか」
以前もしつこく勧誘されたからはよく覚えている。何度も断ったのだがあちらもなかなか諦めてくれないらしい
「どうする?断る権利もあるが」
「お断りしたら、代わりにどなたが行かれるんですか?」
「サカズキだ」
「・・・」(え・・・、という顔)
「お前がそういう顔をするだろうこともCP9の奴らは予測済みだ」
自分の代打にサカズキの名を出されたらは断れない。そんなことをしたら、後で赤犬になんと言われるか・・・たまったものじゃない。選択肢のない任務には苦笑しながら緩い敬礼をした
*
敵に見つからないように島に侵入しなければならない。はシャボンコーティングした小型船で海中から島へと近づき、島の裏手から無事リセロ島に上陸することに成功した。は目的の村に入り、潜入捜査を開始
(うーん・・・やっぱりちょっと動きにくいなぁ)
海軍だとばれないようにはいつものスーツ姿ではなく村の酒場に溶け込めるような一般市民の恰好をしていた。服に無頓着のに代わりコーディネイトしたのはレイダー。頭にはバンダナを巻き、長袖のシャツにシンプルな上着を羽織り、ヒラヒラしたロングスカートとウェスタンブーツという姿はを実年齢よりもやや幼く見せる
「レイダーさん・・・服の趣味可愛い」
本人のいないところでぼそりと感想を述べる。(できるだけ肌の露出のない質素な服にして悪い男に引っかからないように・・・というレイダーの気遣いにが気付くことはないだろう)レイダーのお見立てもあり、は巧く村の酒場に溶け込むことに成功。夕暮れ時の酒場は大いに賑わっていた。それはまるで大晦日か正月かのように、おかしいくらい盛り上がっていた
(お祭りでもあるのかな・・・?)
はカウンターに腰掛け、近くにいた村人に話を聞いてこの大賑わいの理由を知った
「スパイス海賊団様々だよ。ここ最近村を荒らしまくってた山賊どもを追っ払ってくれたんだ!」
「ちょいと村は焼けたけどな。でもこれで山猿どもに怯えることなく、また穏やかに暮らせる。スパイス海賊団に感謝して、ここ2週間ばかり毎晩宴会さ」
「なるほど・・・」
村人にとってみればスパイス海賊団は英雄も同然なのだ。みな一様に笑顔でグラスをぶつけ合っている。この光景は、たちがレスタ島からオーロラ海賊団を追い出したときに似ていると思った
(海賊が村に平和をもたらしてくれたんだ。この村にとっては海賊はヒーロー・・・。・・・海軍じゃなくて)
複雑な気持ちだった。の仕事は海賊を捕まえること。海軍にとって海賊は例外なく海の荒くれ者。捕縛の対象。けれどこの村の人たちにとっては英雄
「何が正義なんだろう・・・」
「さぁな。それは人によって時代によって変わるだろうよい」
「そっか・・・、そうですよね。・・・・・・・・・・・・・・・!?」
act 18 : 振り向けば奴がいる
「白ひげ海賊団一番隊隊長不死鳥マルコさん・・・!?・・・なんでここにいるんですか?」
「説明くせぇ台詞だよい・・・。なんでここにいるかって、そりゃこっちが訊きてぇな」
声をかけてきた人物の方、自分の右隣を見たの両目はびっくりしすぎて真ん丸になった。いつの間に来たのか!いや・・・もしかしたら彼の方が先にいて、気付かずにが隣に座ったのかもしれない。けれど本気でびっくりした。数週間前に戦った相手がひょっこり隣にいたのだから。いつかのレスタ島のときと同じだ。カウンター席で隣同士。マルコはあのときと同じようにバンダナを巻いて、シャツの下にタンクトップを一枚着込んで白ひげの刺青を隠している。ぐびりとグラスを傾け、マルコはを頭の天辺から爪先まで視線で見下ろした
「へぇ。今日は随分可愛い恰好してるじゃねぇか」
「どうも、です」
「で。ここで何してんだよい。休暇か?」
「いえ、そこは・・・」
「ん?」
は両手の人差し指で×を作り、「秘密です」と小さく笑った
「軍人が海賊に任務内容を教えるわけにはいきませんから」
「なるほどねぃ。とりあえず休暇じゃなくて任務だってことはわかったよい」
「・・・(あ・・・)」
「お前ぇは相変わらずどっか抜けてて可愛いよい」
カウンターに頬杖ついて、マルコは肩を軽く揺らして笑う。墓穴を掘った・・・。は正面を向いて自分のグラスを両手で持って傾けた。マルコの視線が自然との右腕にいく
「なぁ」
「は、い・・・!?」
いきなり右手首をマルコに掴まれ、はグラスを落としそうになった。グラスを置いて、「なんですか?」とマルコの方に首を向ける。目があった、彼の眠たそうな両目はけれどしっかりとの瞳を見つめていた。何かの力に引っ張られて目がそらせない
「傷はもういいのかよい」
「あ・・・、はい。もうすっかり」
「傷痕は?」
「外科専門のエキスパートドクターが診てくださったので、残らず済みそうです」
「そうかよい」
「はい。・・・あれ?もしかして、気になっていらしたんですか」
「まぁな」
「自分でやったくせに?」
矛盾してますね、とは笑う。そんな彼女にかまわずマルコは無言で彼女の服の袖をめくった。細く白い腕の所々にはこれから癒えていく傷がまだたくさん残っていた。不死鳥のかぎ爪で引っかかれた部分の肉が盛り上がっている。その傷痕をマルコがあまりにもじっくり見つめるので、は思わず「悪いことしたなぁって思ってます?」と訊いてみた。勿論返ってきた答えは「全然」だ。まったく、これだから海賊という輩は。腕を解放されては肩をすくめてため息をついた
※あんな大怪我が数週間で治るのかは疑問です。だが原作でもみんな体を指で貫かれたりしてるしな・・・
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