ドリーム小説
※ひたすら戦闘シーンです。管理人の稚拙な文を皆様の素敵脳内で自由にイメージ化させてお楽しみください(苦笑)
白鯨の頭を模した広い船首の上。左舷に、シャツをラフに着こなし両手を腰に当てて仁王立ちする男が一人。右舷に、上着を脱いで軽装になり髪をひとつに結った女が一人。二人に与えられた時間は3分間。砂時計の砂がすべて落ちたらそこで終わり。この世界の頂点に立つ大海賊団の隊長の名を背負い、世界の海の中枢海軍本部将校の名を背負い、マルコとが正面からぶつかりあう。それはきっと長くも短くも感じる180秒
act 15 : いざ尋常に勝負
クザンが予想したとおり、戦いが始まる直前まで吠え叫んでいたギャラリーは二人のファーストコンタクト後からすぐに静かになった。戦闘開始の合図後、初めに仕掛けたのはだった。六式は剃で地を蹴って姿を消し、一瞬の間にマルコの右側に回り込み彼のこめかみに指銃を打ち込んだ。の攻撃は無駄がない。狙うは一点、人体急所のみ。それ以外の攻撃をして無駄な体力を使わない。の指は正確にマルコのこめかみに突き刺さった。だがしかし、人体を打ち抜いた感触が指先に感じられないことに眉をしかめる。次の瞬間、ボボッと音を立ててマルコの体は蒼い炎に包み込まれた
「・・・!」
「急所を貫いて死なない人間を見るのは初めてかい」
「なるほど・・・、これが再生の炎」
戦闘中だけれどは不覚にも綺麗だと思ってしまった。それぐらい彼が纏う蒼い炎は美しかった。けれど戦いは止まらない。蒼い炎とともに傷を再生させたマルコは、今度は自分からに攻撃する
「ボケッとすんない!脳天がら空きだよい」
「・・・!」
一瞬で両手を翼に変えてばさりと体を浮かせ、右足を大きく振りかぶりの脳天に向けてかかと落とし。けれどの反応も早かった。頭上で両手を交差し、両足で踏ん張って重い衝撃に耐える。女の細腕とは思えぬ強度にマルコは頬を引きつらせて笑う
「ちぃ・・・っ!かってぇ腕だよい」
「鉄塊『剛』。鉄の甲殻の強度はそう簡単には破れませんよ」
にっこりと笑ったはすぐに表情を引き締め、マルコの足首を両手でがしりと掴んだ。完全な不死鳥に変身する間を取らせず、そのまま勢いよくマルコの体を空高く放り投げる。細っこい彼女のどこにそんな怪力があるのか、マルコは吹き飛ばされながら目を丸くする。空中でばさりと翼を広げて急停止。チッと舌打ちして眼下を見下ろすも、そこにはもうの姿はなかった
「マルコ、上だ!!」
「あ・・・っ!?」
サッチの叫びと同時にマルコは空を飛ぶ自分に影が差していることに気付く。上に誰かいる。本能がやばいと叫ぶ。慌てて振り返れば、月歩でマルコの上をとったが太陽と重なって見えた。マルコは眩しさに顔をしかめる
「嵐脚『白雷』」
「・・・!!」
涼しげな彼女の声とともに蹴りによる無数の斬撃が降ってきた。これは生身の体では受け止められない。マルコは気合いの雄叫びとともに全身を不死鳥の姿に変えた。自らの体を高速で回転させて降り注ぐ斬撃をすべて自分の体に吸収させる。は空中でバク転し船首の端に着地し、ため息をついた
「だめですか・・・。結構な数撃ったんだけどな」
「おいおい・・・モビーに傷なんてつけたらただじゃおかねぇよい」
完全な不死鳥の姿になったマルコは空中で羽根を羽ばたかせていた。は飄々と言い放つマルコを見上げ、「何言ってるんですか」と肩をすくめる
「そちらから吹っ掛けてきた勝負なんですから傷の一つや二つ、三つ四つ何を今更。半壊ぐらい覚悟してください」
「はっ。言うねい。ま、できるんならやってみろよい。・・・それはともかくだ。おい、サッチ!」
「あ、・・・やべ」
「俺の喧嘩だ。手出し口出しするなよい」
マルコに釘を刺され、サッチは肩をすくめてお手上げのポーズを取る。助けはいらない。これは自分と彼女の戦い
「まだまだ本気じゃねぇんだろい」
「んー・・・まぁそうですね」
「はー・・・、手ぇ抜かれて戦われてるようじゃ一番隊隊長の名に傷がつくねぃ」
お前の本気を見せて貰うよい。不死鳥マルコはばさりと両翼を羽ばたかせ、目がけて突っ込んでいった。巨大な弾丸と化して向かってくる不死鳥には防御の構えを取る。左手を前に突き出し手のひらを広げてマルコを迎え撃つ
「左手一本捨てる気かよい」
「鉄塊『紅葉』。防御なら片手で十分ですよ」
が独自に生み出した鉄塊の一種は手のひらを集中して強化させ相手の攻撃を受け止める。高速で突っ込んできながらマルコは変身を解き、勢いづいた正拳をの左手にぶち込んだ。両足で踏ん張っていたの体がザザザッとわずかに後退するも、宣言通りマルコの拳を左手一本で受け止めてみせた
「ちぃ・・・っ」
「甘いですよ」
マルコを左手でとめ、はすぐさま右手で指銃の構えを取った。指先の神経を集中させてマルコの喉元目がけて弾丸を発射させる。やったと思われたの攻撃は、けれどここに来て彼女のスピードを見切ったマルコに止められた。放たれた指銃はマルコの喉に刺さる前に、不死鳥化したマルコの足に勢いよく下から蹴り上げられた。猛禽類の鋭いかぎ爪に切り裂かれ、の右腕から噴き出した真っ赤な鮮血が宙に舞った
「甘ぇのはどっちだい」
「・・・ぐ、・・・っ」
「悪いな、親父。白鯨に赤い染みができちまったよい」
両腕と両足を不死鳥化させ、マルコは不敵に唇を釣り上げる。白ひげはグラララと笑い酒樽を傾け高みの見物を決め込む
「かまわねぇさ。どうせなら船首全部赤に塗り替えるぐらいにしやがれ」
「はは・・・、怖いですね海賊は。・・・あと1分少々。まぁそれぐらいなら腕一本でも大丈夫かな」
だらんとぶら下がったの右腕からは血が止まることなく白い床をぽたぽたと赤い染みが汚していく。結構な深手を負っているはずだがの表情は軽くあっけらかんとしていた
「攻撃しても再生を繰り返すのは厄介ですね」
「降参するかよい」
「はは。まさか」
は緊張感なく笑って、使えない右腕をだらりとぶら下げ、生きている左手で左足のホルスターから短刀を一本抜き取った。マルコは片眉を上げて「無駄だよい」と鼻で笑う
「武器を使っても同じだ。俺の体には傷ひとつ付けられねぇよい」
「それはどうでしょうかね。奇跡が起こるかもしれませんよ」
「は。ここに来て奇跡に頼ってるようじゃ、大したことねぇよい海軍本部大佐の力も」
マルコの挑発には頬を引き上げて余裕を見せる。左手に取った短刀を器用にくるりと回して人差し指と中指の間に挟み投げる準備をした
「ではお見せしましょうか。『海賊にはない』、海軍の力」
「何を見せてくれるって?」
「そうですね・・・・・・、ではまず一騎!」
叫ぶのと同時には短刀を横投げにマルコ目がけて投擲した。勢いよく飛んでいく細身のナイフは武装色の覇気を纏っているのが感じられた。警戒はするが、だがこれぐらいなら再生の炎でどうにでもなる。マルコはボボッ!と左腕を青い翼に変えて受け止めようとした。瞬間、マルコに向かって大声で叫んだのは勘の良いエースだった
「マルコ、海楼石製だ!!」
「・・・!?」
「あれ、随分と勘のいい方がいますね」
エースの声との不敵な笑みにマルコの表情が一変する。緊急回避。首を背けて何とか避けるも、短刀の切っ先がマルコの左頬にうっすらと切り傷を作った。浮き出た赤い筋から血がしたたり落ちる。傷を癒す蒼い炎は・・・生まれなかった。悪魔の実の力を無効化する石の力のせいだ。まともに顔面にくらっていたらやばかった。マルコは頬から唇の端へと流れ落ちてくる血をぺろりと舐め取り笑う
「へぇ、・・・なかなかやるよい」
血を舐め鬼の笑みに変わるマルコには穏やかに笑ってかえす。そして再びホルスターから短刀を二本引き抜き、左手の指にセットした
「時間ももうありませんね。・・・あと30秒。これで終わりにしましょうか」
「あぁそうだな。腕もつらそうだ、早く楽にしてやるよい」
ボボォッ!とマルコの両腕が一瞬で燃え上がり不死鳥の翼とかぎ爪へと形を変えた。それが最後の攻撃の合図になった。の姿が一瞬で消える。剃で移動したのだ。どこに現れる・・・!?マルコの嗅覚が彼女を探し出す
「左だっ!!」
「・・・!?」
マルコの勘がのスピードを上回る。かぎ爪に覇気を纏わせ思いきり彼女の体を蹴りつけた。鉄塊を纏った彼女の体もマルコの覇気に押され体が数十センチ後退する。体勢の崩れた彼女にマルコはとどめの一蹴りを入れようと構えた。けれど次の瞬間、彼女が取った行動にマルコは目を見張る
(んな、なに考えてんだよい・・・!?)
彼女は左手にセットした短刀の刃の部分を右手で鷲掴み、そのまま勢いよく引き抜いた。切り裂かれた彼女の右手から大量の血がぼたぼたと滴り落ちる。そんなことをする意図が分からない。けれど彼女はにやりと笑って、一瞬の隙を逃さずマルコの不死鳥の右足をがしりと掴んだ。その瞬間、青い炎が消えて不死鳥化していた足が人間の形に戻っていってしまった。マルコの表情が歪む。彼女の行動の意味を知る
「くそ・・・っ、海楼石の成分かよい!」
「ご名答です。ナイフに付着した成分を手に移しました」
これで実体のないあなたの体を捕まえられる。の唇が上がる。翼を羽ばたかせても彼女に血まみれの手で右足を掴まれていて逃げられない。の左手の短刀がキラリと光った。マルコの心臓目がけて突きさしてくるつもりだ。勝者の笑みを浮かべるにマルコはギリリと歯を食いしばって叫んだ
「なめんなよいっ!!」
「・・・・・っ!?」
一番隊隊長の意地を見せつける。マルコは両翼を人間の腕に戻し、光の速さで腰にぶら下げた金色のベルトを引き抜き、彼女の首に巻き付けて顎の下で交差させた。窒息なんて生易しいものじゃない、絞め殺すつもりだ。の頬を汗が流れる
の短刀がマルコの心臓を突くのが先か。マルコの両手が彼女の首を絞め殺すのが先か。勝負は一瞬。けれど、その一瞬は永遠に訪れることはなかった。二人の動きをびたりと止めさせたのは、体中の汗腺が開きぶわりと汗が噴き出るほどの圧倒的な覇気
「3分経った。戦いは終わりだ、クソガキども」
二人とも今ここで死なせるには惜しすぎる。白ひげの豪快な笑い声が船を包み込む。残り0秒。二人が初めて刃を交わした長くも短い180秒の戦いは勝者も敗者も決まらぬまま終わりを告げられた
※長いなが〜い戦闘シーン・・・。最後まで読み切ってくださりありがとうございました
もっと迫力&緊迫感ある文章が書けるようになりたいです・・・(泣)
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