ドリーム小説
頭に警告音が鳴り響く
まずい、と頭の中で誰かが言う
これは、しばらく忘れていた感じ
どうして今頃またやってきたのだろう
スピカ 第十七夜
よく会うのは、金曜日の夕食後の図書館。
別に約束しているわけじゃない。
でもいつの間にか、その曜日のその時間、2人は図書館で会うようになっていた。
無言の約束のようで、は彼が来てくれる度に胸が熱くなった。
数日前からリーマスに関することでおかしくなり始めたのからだ。
彼の事を考えると、彼の姿を見かけると、胸が熱くなる。
初めは信じられなかった。
そんなことありえないと思った。
でもはそれが何かよく分かっていた。
一度認識してしまうと、その感情は否が応でもの体に染み付いてしまった。
少女はリーマスに恋してしまった。
より少し遅れて図書館にやってきたリーマスは、迷うことなくの前の席に座った。
それだけで嬉しくて、の顔はほんのりと桃色に色づく。
そして目聡いリーマスはすぐにそれに気づいてしまうのだ。
「。また顔が赤いよ?風邪なんじゃないかい?」
気遣わしげに聞いてくれるのが嬉しくてたまらない。
だが自分の気持ちを悟られるわけにはいかない。
は毎度毎度必死になって平静を保った。
「何でもないわ、リーマス。少し厚着をしてきてしまったの」
何でもないようにニッコリと微笑む。
その笑顔にリーマスも納得したように満面の笑みで返すから、はまた平静を保つのに大変。
そんなの心情に、リーマスは気付いているのかいないのか、ずっと笑顔を浮かべ続ける。
「ところで」
向かい合って本を読んでいると、不意にリーマスが声をかけてきた。
は慌てて本から顔を少年に向ける。
その動きにあわせて、の長い銀髪がサラリと揺れる。
声をかけたにもかかわらず、リーマスは思わずその輝きに眼を奪われた。
その光に何かを思い出す。
「何か?リーマス」
「あ、ごめん」
彼にしては珍しい慌てぶりに、は首をかしげる。
揺れる髪からの顔に視線を移す。
「明日なんだけど。、君暇かい?」
「明日って・・・土曜日よね。えぇ、暇よ」
授業もないし、これといった宿題も出ていない。
することといったら自室か談話室で読書するくらい。
後は何かあるかと考えていたときだ。
リーマスがニコニコしながら問いかけてきた。
「じゃぁさ。明日、ホグズミードに行かないかい?」
“治療のお礼も兼ねて、さ”とリーマスは言う。
その言葉に、は少しの間放心状態になった。
「〜?」
リーマスがの目の前で手を振ってやっと正気に戻る。
「え?あ!ホ、ホグズミードね?え?わ、私?!」
カァッと赤くなる頬を押さえながら、はどもる口調で返事を返す。
いつもとは違いすぎる彼女に、リーマスは不思議な顔をする。
「うん。あ。、ホグズミード嫌い?」
ちょっと残念そうに笑うリーマスを見て、は思い切り否定する。
「い、いえ!あまり行ったことがないだけで・・・・行く。行くわ!」
にしては珍しい大きめの声に、周囲が少しざわつく。
リーマスは思わずの口の前に指を立て、“静かに”と笑った。
自分に触れそうな少年の細い指に、は自分の顔に体中の熱が集まってしまったような感覚に陥る。
バクバクと落ち着かない心臓を沈めようとする少女に、リーマスはニッコリと微笑みかけた。
「よかった。じゃ、決まりだね」
「・・・・えぇ」
そう言ってリーマスは自分の本に目を戻してしまった。
だがはもう読書どころではなく、しばらくリーマスの細かな仕草に眼を奪われた。
その夜、は上手く寝付けず、しばらくベッドの中で寝返りをうっていた。
真っ暗な中で目を瞑っても所詮闇。
それでも寝れるかもしれないと、仕方なく目を瞑る。
明日のことに胸が躍る。
思い出すだけでの頬がほんのり熱を持つ。
(これって・・・・・・デ、デート・・ととっていいのかしら?)
使い慣れない単語を思い浮かべ、それだけで恥ずかしくなる。
(な、何を馬鹿なことを!!)
どんどん赤くなる頬に手を添える。
燃えるように熱い。
妙な期待に胸膨らませていないで、と自分に言い聞かせ、は無理矢理目を瞑った。
翌日のホグズミードは清々しいほどの快晴だった。
冬真っ只中ということもあり、あたり一面雪が積もっている。
高い空にそびえる太陽が白い雪に反射して眩しい。
駅を降りたところで待ち合わせていたリーマスと。
「今日は他の悪戯グリフィンドールさんと一緒じゃないのね?」
少し意地悪げに声をかけると、リーマスはニッコリと笑って返した。
「うん。皆レポートに追われてるんだ」
“僕はもう済ませた”と誇らしげに言うリーマスに、はふわりと優しげに笑いかける。
着いたときはリーマスの顔を見て赤かったの頬も、今は寒さで桃色になっている。
その色が伝染したのか、今のの笑みを見たリーマスの頬が微かに赤くなった。
だがごまかしの上手いリーマスのせいで、がそれに気付くことはなかった。
ハニーデュークス、三本の箒、ゾンコの悪戯専門店とリーマスは普段行きなれた場所にを連れて
行った。
ホグズミード自体にあまり来たことのないは、彼が紹介する一つ一つにいたく感動する。
普段は見せることのないの快活な笑顔に、リーマスは満足そうに微笑んだ。
そして一通りの店に連れて行った頃、リーマスがある方向へと足を進めた。
「リーマス。今度はどこへ?」
期待に弾む気持ちで声をかけると、リーマスはゆっくり振り返り、今までと違う笑みを浮かべた。
その笑みには目聡く気づく。
「あそこ。あの丘の上。ボロボロの屋敷が見えるだろう?あそこへ行こう」
リーマスの指先に、崩れかけた屋敷が見える。
はリーマスの後について丘を登った。
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バザールでござーる。バザールでござーる。
デートでござーる。
ホグズミードに行くでござーる。
雪の降る日は寒いでござーる。
こういう日はコタツに入って茶をすすりたいでござーる。
そういえば今年は申年でござーる。
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