ドリーム小説
●設定3にの父親のFirst nameを入れてください。
(姓は)
スピカ 第十二夜
パチパチと燃える暖炉の薪。
綺麗に片付いた書斎には、黒髪をきちんと結った女性と、少し乱れた銀髪を背中に流す少女。
「だいぶ上達しましたね」
満足そうに頷くマクゴナガル先生を、少女は瞳をゆっくりと押し開いて見つめた。
この部屋に入ってきたときと比べて明らかに疲労感漂う双眸。
は少しだけ目を細めると、すぐに閉じてしまう。
肩で荒い息を整え、額にかいた汗を手の甲で拭う。
ゆっくりとソファーに腰掛けた。
出されたアイスティーに口を付け、大きく息を吐く。
後ろでパチパチとはねる暖炉の薪の音を聞きながら、はまた目を閉じた。
「雑念も減って、集中力もついてきましたし。そろそろ報告してもいいでしょう」
“魔法不適制使用取締局に”という先生の言葉にうっすらと目を開け、は口元だけで強みのある
笑みを浮かべる。
「調子も良いようですね。何か生活に変化でも?」
杖を一振りしてお茶のおかわりを出す先生に、はにっこりと微笑みかけた。
「えぇ。ちょっといいことが」
「そうですか。何はともあれ貴女に良い影響を与えていますし、いいことです。ところで」
そこでマクゴナガル先生は一拍置いた。
の前での砕けた雰囲気とは違った、厳かな雰囲気を醸し出す。
「お父上は。は、元気にしていらっしゃいますか?」
不意に出てきたその名に、疲労混じりのの顔が途端に柔らかなものに変わった。
久し振りに聞いた愛する肉親の名に、少女の頬は緩む。
「はい。父なら今は、フランスはボーバトン魔法アカデミーで占星術を指導していますわ」
「まぁ、占星術を。らしいですね」
顔見知りのことに想いを馳せ、マクゴナガル先生はどこか回想に耽る。
だがすぐに顔をに戻し、言うべき本題を切り出した。
「。それでは今年の夏休みはどうするのですか?ボーバトンとは休暇期が違いますし、良ければ
私の家に」
どこか心配そうに問いかける先生に、は変わらぬニッコリとした表情を浮かべる。
「ありがとうございます、おば様。でも」
真っ直ぐにマクゴナガル先生を見つめるその瞳は、曇りなき青。
「すごく・・・残念ですが。遠慮、させていただきますわ。ご好意を無碍にしてしまい申し訳ありません」
本当に心から申し訳なさそうに、は少しだけ眉をひそめて苦笑する。
幼い頃から自分を気遣ってくれるこの普段は厳しくも優しい先生に、は外では決してしない表情
をする。
マクゴナガル先生もの性格は良く分かっている。
彼女がこういった以上はきっと決断を曲げることはない。
先生も苦笑で返すしかない。
「構いませんよ。ですが、助けがほしいときはいつでもお言いなさい」
ふわりと微笑むマクゴナガル先生は、凛とした姿で教壇に立つときとは全然違う。
生徒には滅多に見せないその表情に、も何かを許しきった笑顔で応える。
「はい。ありがとうございます」
マクゴナガル先生の黒い髪。
は時折チラチラとそれに目を向けていた。
にもマクゴナガル家の血は流れている。
だがの髪は銀色。目は青。
その容姿のほとんどが父である・から受け継いだものばかり。
母親から受け継いだものと言えば、自分の魔法の気質ぐらい。
だからかもしれない。
は少しだけ、ほんの少しだけ恐れていた。
自分はマクゴナガル家ではとても異質な存在になってしまうということを。
ミネルバだって、彼女の家族だって、決してを偏見の目で見ることなどしない。
それでも少しだけ辛かった。
まだ年端もいかない少女には、世の全てを受け入れるのはあまりにも難しく、酷なことだった。
季節は冬。
寒い寒い、とても外になど出たくはない時期だがそれでも生徒たちが我先にと外へ飛び出すこともあった。
それは寮対抗で競い合う、とあるスポーツ大会。その応援。
今日もクィディッチ競技場は生徒や教員で満杯。
本日の試合はグリフィンドール対ハッフルパフ。
クリムゾンとカナリアイエローのユニフォームを見に纏った選手たちが宙を飛び交う。
両寮ともに点が入るたびに歓声があがる。
特にグリフィンドール寮の応援はすごい。
なんと言ってもあの名シーカー、ジェームズ・ポッターが高速でスタンドギリギリを飛び去った瞬間など歓
声が余韻となっていつまでも続く。
「ヒュゥ〜♪やるぅ、ジェームズの奴!サービス精神旺盛だな」
「もう、シリウス茶化さないの。ジェームズも真剣なのよ?」
親友のパフォーマンスをスタンドから身を乗り出して観戦するシリウスを、リリーが母親のように咎める。
「シリウス、あんまり身を乗り出すと危ないよ?ブラッジャーとかスニッチって結構近くまで飛んでくる
んだから」
子供のようなシリウスにリーマスも注意を促す。
だが試合に夢中のシリウスは生返事を返すだけ。
「シリウス。聞いてる?冗談じゃなくて本当に危ない」
「あぁ〜わかってるって!平気へい」
シリウスが再度のリーマスの忠告に少しだけ顔を向け、パタパタと手を振った。
そのときだった。
事故は唐突に起こった。
ジェームズめがけて飛んでくるブラッジャーをビーターが寸でのところで打ち払った。
突然のことにビーターも必死だったのだろう。
打ち返されたブラッジャーは。
グリフィンドール席の。
黒髪の少年が座る席の目の前の手すりに。
「危ないシリウスッ!!」
突き飛ばされる少年と少女。
宙に舞い踊る鳶色の髪。
木製の手すりに高速で飛んできた球が激突し、大小様々な木片を弾き飛ばす。
不意に湧き上がる喚声。
口元を手で覆って悲鳴を上げる赤毛の少女。
黒髪の少年が何かに向かって手を伸ばす。
視界に真っ赤な液体が飛び散るのを収めて、リーマスはゆっくりと目を閉じた。
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なぁにが起きたのやら。
シリウス君。人の話は聞きましょう。
てかこれ、ダメシリウス矯正ドリーム?
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