ドリーム小説


パチッ・・・パチパチッ!!

「え・・・?」

最後の薬草を投入して鍋をかき混ぜていたは、突然鍋から発せられたその音に手を止めた
どういうわけか調合していた液体の表面から火花が散ったのだ
こんなことセブルスのノートには書かれていなかった
不測の事態にどうしていいかわからず、とりあえずはセブルスに声をかけた

「ね、ねぇ、セブ・・・鍋の中がなんか変なんだけど」
「なに?」

の声に、セブルスは怪訝な顔で鍋の方へと近寄った
そのときだった
バチッ!バチバチッ・・・―――ボ ワ ン ッ!!



■♂□   っ ち が っ ち ! ?  □♀■   交換ですよ 5



目に見えるほどの火花が鍋の中から飛び散ったかと思えば、次の瞬間には大きな音を立てて鍋から黒煙がわき上がった

「うひゃぁっ!!な、なになになに・・・――っ!?」
「な、に・・・・・――っ!?」

突然鍋から現れ出た黒煙は、鍋の一番近くにいたとセブルスを包み込んだ
まるで吸魂鬼(ディメンター)に覆い被されているかのような光景に、周りの生徒たちから悲鳴があがる

「ミスタースネイプ・・・っ、ミス!!」

ニコレッタ先生は杖を片手に走り駆けよると黒煙の内部にいる2人に向かって大声で呼びかけた
けれど返事はない。今や黒煙は大きく膨れあがり、とセブルスを完全に飲み込んでいた
を心配して離れたテーブルにいたシリウスとジェームズが飛んできた

「うわ、・・・なんだこれっ?」
!!先生・・・、はっ!?」
「わかりません・・・、2人ともあまり近づかないで。皆さんも壁際まで下がっておいでなさい!」

ニコレッタ先生が生徒たちに指示を出したときだった
もくもくと膨れあがっていた天井付近の黒煙が少しずつ消え始めた
先生を先頭にシリウスとジェームズの3人はローブの袖で口元を覆いながら薄れていく黒煙の様子を窺う
ゆっくりと消えていく黒煙。その中から現れ出たとセブルスは全身を黒い煤だらけにし、床の上に倒れていた
ぐったりとしていて完全に気を失っているようだ

・・・っ!!」

シリウスはいてもたってもいられず、彼女の名を叫びながら傍に駆けよった
背に手を回して抱き起こすも、はぐったりとしていて起きる様子がない
かろうじて小さく息をしているのがせめてもの救いだった

「ミスタースネイプ、しっかり!」

セブルスの方はニコレッタ先生が抱き起こし、頬を叩いて何度か名前を呼んではみたものの彼も目を覚ますことはなく

「保健室に連れて行きましょう!ミスターポッター、ミスエバンズ。先にマダムポンフリーの所へ行って事情を説明してきていただけますか?」
「は、はい!」
「任せてください」
「先生、は俺が・・・!」
「えぇ。ミスは貴方にお願いしますね、ミスターブラック。他の皆さんは自分の荷物を持ってすぐに寮にお戻りなさい!」

先生の指示によってジェームズとリリーは急いで保健室へ。シリウスはを抱き上げ、セブルスは先生が背に背負って保健室へと向かった
ざわつく教室内。生徒たちは不安げな顔を見合わせながら各々の寮へと戻っていく
リーマスはシリウスとジェームズの荷物を急ぎまとめながらピーターに声をかけた

「ピーター、リリーの荷物まとめて。寮に荷物置いたら僕らも保健室に行くよ」
「う、うん!」

リーマスはたちが調合をしていたテーブルに視線を向け、その無惨な跡を見て嫌な予感を覚えた


*


保健室に運ばれた2人は隣同士のベッドに寝かせられてマダムポンフリーの処置を受けた
とはいっても、マダム曰く2人はただ気絶しているだけで治療のしようがないとのこと
頭の天辺から爪先まで煤だらけにした2人は、ぴくりとも動くことなく眠っている

「ねぇ・・・、目覚ますわよね・・・っ?」

リリーはのベッドサイドに膝をつき、親友の手を握って震える声で誰にともなく問いかけた
けれど不安ばかりが辺りを漂い、誰も答えることはできない
瞳に涙を浮かべるリリーの肩をジェームズが静かに抱き寄せた
その隣のベッドにはセブルスが寝かされ、ニコレッタ先生とマダムポンフリーが傍についていた

・・・、お願い・・・目を覚ましてっ」
「・・・っ」

リリーは泣きそうな声で親友の名を呼び続ける
その斜め後ろに立っていたシリウスは、ギリッと奥歯を軋ませ不満と怒りの表情を浮かべた
目聡いリーマスだけがそれに気付く

「・・・スネイプの野郎のせいだ・・・っ」
「シリウス・・・?」
「なにが薬学トップだ・・・っ。が今こんな目にあってんのはこいつのせいだろ!」
「やめなよ、シリウス。落ち着けって」
「落ち着いていられるかよ!このままが目を覚まさなかったらどうすんだ!」

シリウスはのベッドに背を向けると、隣のベッドで眠るセブルスを睨むように見下ろした

「こいつのせいだ・・・、こいつが調合を間違えたせいでは!」

降ろした両腕の先、両手をぐっと握りしめシリウスは拳に怒りをためこむ
けれどそんな彼の怒りをリーマスは静かに否定した

「それは違うと思うな」
「なに・・・?」
「2人がこうなったのはセブルスのせいじゃないよ、きっと」
「・・・なんだよ、リーマス。そいつの肩もつのか・・・!?」
「そういうわけじゃないけど。でも僕が見ていた限りでは、2人の調合には間違っているところは一つもなかった」

冷静なリーマスの言葉にシリウスは反論の言葉を探す
するとニコレッタ先生がリーマスの言葉を肯定する発言をした

「ミスタールーピンの言うとおりです。この2人の調合は完璧でした」
「そんな・・・。じゃあ・・・、じゃあなんでこんなことに!?」
「今はまだわかりません。ですが原因が、2人が調合していたあの場にあることは確かです。すぐに調べて」

ニコレッタ先生はシリウスの怒りを落ち着けようと静かに話をした
そのときだった

「う・・・」

が小さな呻き声を上げ、そしてうっすらと目を開けた





  





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