ドリーム小説
生まれてからずっとひとりぼっちで
大切なものなど何もなかった
でも今なら思うここに来れてよかったと
こんな私のために涙を流してくれる人がいるから
■ 魔女の条件 〜The Love of the Maiden〜 <13> ■
こんなにも激しく、もの悲しく、甘いドラマがあったとは露知らず、いつもと変わらない穏やかな一日がまた始まろうとしていた。
体が衰弱しているのために、スネイプは栄養剤とチョコレートを渡してそれらを食べさせた。凍傷を起こしかけていた両腕と両足に塗るため、薬まで調合して渡した。はお礼を言ってそれらを受けとった。
「そろそろ寮に戻ります」
乾かしてもらったローブを羽織って、はスネイプと向かいあい、にこりと笑った。だが一方でスネイプは心配そうな顔をしていた。
「ひとりで大丈夫かね」
傍で見ていないと何があるか分からない。心配で仕方がない。授業中の「スネイプ教授」しか知らない生徒が今のスネイプの姿を見たら、おそらく口をぽかんと開けて驚くことだろう。それぐらい今のスネイプは過保護だった。大袈裟だと思いながらも、スネイプをこんなにも不安にさせているのは自分なのだと思うと、は申し訳なく思った。
「大丈夫です。私、こう見えても意外と強い女の子なんですよ」
スネイプの心配を吹き飛ばすように、は笑みを深くした。
「」
「はい」
「いつでも、ここに来たまえ」
できるだけ多くの時間を2人で過ごしたい。早く今までの分を取り戻したい。スネイプの気持ちを受けとり、は笑顔で返事をし、スネイプのもとを後にした。
行き慣れた道を足早に歩き、は住み慣れたスリザリン寮を目指した。早朝の校内は誰も歩いていなかった。誰にも見つかることなく、は寮の扉の前へと辿り着いた。そしてひとつ大きく深呼吸した。こんなにも緊張して自分の住処へ帰ったことはない。は合言葉を唱え、寮の扉を押し開けた。冷風が迎えると思っていた室内は予想に反して暖かく、談話室の暖炉の火は穏やかに燃えていた。こんな朝早くに誰か起きているのだろうかと、は不思議に思いながらそっと談話室へ一歩足を踏み入れた。
「おかえり」
無人だと思っていた談話室の窓側のソファーから突然声がして、の足は止まった。の視線は、自然とそちらへ向いた。あぁ、そうだ。窓側の一人掛けのソファーは、彼の特等席だった。窓辺に肘をつきこちらを振り向いているのは、
「・・・ドラコ」
高級そうなブランケットを膝にかけ、彼は静かに座っていた。じっと目をそらさずにの方を見つめてくる、彼の目元が少し赤いのはの見間違いではなかった。
「ドラコ・・・、一晩中ここにいたの?」
は恐る恐る問いかけた。だが彼はその問いには答えず、ふいと顔を窓の外へと向けてしまった。は少し戸惑ったが、とぼとぼと彼の座るソファーに歩み寄った。ドラコの横に立ちつくしても何を言ったらいいかわからず、気まずい雰囲気だけが流れていた。腰掛ける少年はまるで一国の主のようで、動揺を見せない。
どうして彼はこんなに穏やかなのだろう。
何と声をかければいいのだろう。
沈黙だけが流れた。だが、
「スネイプ先生と仲直りできたのか?」
窓の外を向いたまま、ドラコが予想外の言葉をかけてきた。の瞳は大きく見開かれた。ドラコの声は不機嫌でもなく、かといって上機嫌でもなく、彼の感情は読み取れなかった。だがにはわかった、ドラコは全てを知っているのだということが。は静かに頷いた。
「うん・・・」
「そうか」
そっぽを向いていたドラコがゆっくりとの方に向き直った。ドラコはを見上げると、ふっと苦笑した。悲しみに満ちた笑い方だった。ドラコのそんな笑い方、見たことがない。の心はきしきしと音を立てて痛んだ。
「一晩中、考えていた」
「・・・何を?」
「、君のことだ」
当たり前だろう、とドラコはを見上げて苦笑してみせた。ドラコの様子はひどく落ち着いていた。まるで牙が全て抜けてしまった虎のようだった。
「いろんなことを考えた。どうすれば君を手に入れられるのかとか、どうすれば君がスネイプ先生のことを忘れてくれるのかとか、・・・。それから、どうすれば君が僕のことを好きになってくれるのかとか」
「・・・ドラコ、」
は言いしれぬ哀しみに胸がいっぱいになった。の綺麗な顔が哀しみに歪むのを見て、ドラコは困ったように笑って目を伏せた。ドラコはそこまで告げると、また窓の外に顔を戻してしまった。外には降り積もった雪しかなかった。ドラコの背中を見下ろすと、の胸は苦しくなった。ドラコは窓辺に肘をつき、外を見つめたまま呟くように言った。
「正直に言うよ。がずっと外に出たままだと知っても、僕には何もできなかった。スネイプ先生に助けを求めることしかできなかった」
そんな自分を情けなく思った。『マルフォイ』という名前さえあれば、何の不自由もなくどんな望みも叶えてこれたのに。たった一人の少女を救うこともできなかった。
「何もできないから、僕は祈った。君が早く戻ってきてくれるように。でも思った。君が永遠に僕のものにならないなら・・・、」
ドラコは外を見ていた。はドラコの背中を見ていた。彼の表情は見えなかった。
「手に入らないなら、このまま助からなければいいとも思った」
顔は見えないのに、無機質な声がかえって怖かった。そして、哀しかった。ドラコに捨てられたという想いに胸が哀しくなった。はなんと言葉を掛けていいかわからなかった。ドラコは自分を嫌いになったかもしれない。いや、嫌われて当然だ。こちらを向いてもくれないことが、尚一層にとってはつらかった。どうすればドラコが振り向いてくれるのか、わからなかった。
「ドラコ・・・」
「なんだ」
「私が助かってしまったこと・・・、残念に思ってる?」
自分はあのまま雪の中で死すべきだったのだろうか。は静かにドラコの答えを待った。怖かった。ドラコはイエスと答えるかもしれない。もしそうだったら、自分の居場所はここにはない。けれど、ドラコの答えは違った。決して振り向いてはくれなかったけれど、ドラコの声は終始穏やかだった。
「いや・・・、嬉しかった」
「え・・・、」
「助からなければいいと思っていたのに、・・・。でも、さっきが帰ってきたのを見た瞬間、わかったんだ」
「何を・・・?・・・、」
の言葉は中途で途切れ、彼女は息をのんだ。ガラスに映る、彼の表情を見てしまったから。それ以上の言葉は続かなかった。ドラコの声に黙って耳を澄ました。
「結局僕は、・・・・今でも君が好きだってことだ」
窓に映る少年の瞳から、透明の雫が一粒こぼれ落ちた。彼がこちらを見てくれないわけを知った。ドラコのプライドはとても高く、そして鋭利で脆い。それはが傷つけていいものではない。ドラコは、声に涙の色が混じらないように必死に抑えているのだろう。涙なんて絶対にに見せない、彼の彼らしい高いプライドがそうさせているのだろう。
「もう一度、の笑顔が見たいと思った」
少年は自分の想いのすべてをに曝け出した。初めて見る、ドラコの素直な感情だった。苦しかったのは、自分ばかりじゃなかった。彼も苦しかったのだ。そして、ドラコを苦しめていたのは自分だとは重く受け止めなければいけないと思った。
「ドラコ・・・。私、・・・私ね、」
「言わなくていい」
ドラコはの言葉を切った。何も聞きたくないし、をこれ以上苦しめたくもなかった。
「が生きてさえいればそれでいい。が幸せならかまわない。君が誰を好きでももうかまわない。でも、のことを好きでいさせてくれ。友達としてでもいい。そばにいさせてくれ。だって、君が言ったことだろう?僕は、」
はもう窓ガラスの彼を見ていなかった。ドラコの目から静かに涙が流れていくのを見ることもできなかった。自身の瞳もまた、涙に溢れていたから。
「僕は、」
『ドラコがホグワーツでの最初の友達よ。仲良くしてね、ドラコ』
今でもはっきりと思い出せる。自分の心を強く引き寄せた、あの綺麗な笑顔を。
「君の友達だろう?」
言葉がなかった。
言葉なんかいらないと思った。
は溢れる涙をそのままに、ドラコの背中を抱きしめた。彼の首に両腕を巻き付け、彼の肩に額を押しつけ、泣いた。そんな彼女の幼い抱擁を、ドラコもまた涙を流しながら苦笑して受け入れた。彼女の銀色の髪に頬を寄せ、くしゃくしゃと小さな頭を撫でた。
「おかえり。」
ごめんなさいも、ありがとうも、何もいらない。ただそれだけで十分だった。
「ただいま、・・・ドラコ・・・っ」
はドラコの肩に額を押しつけ、涙を流しながら静かに笑った。
あの組み分け儀式のときのように明るくは笑えないけれど、2人の気持ちはあのときから変わらず、それ以上に絆は強くなっていた。2人は寄り添い、それからしばらく抱き合って泣いた。
土曜日の朝はとても静かだった。まだ談話室には誰も降りてこなかった。
ドラコは窓際のソファーにひとり腰掛け、ソファーの上で長い両足を折りたたんで外を見ていた。は今すぐにやらなければならないことがあると言い、赤い目をこすりながら足早に談話室を去っていった。暖炉で燃える薪が時々はぜた。それ以外の物音は何も聞こえなかった。寮生はいまだ誰も起きてこない。薄暗く静かな談話室に、不意に客が訪れた。窓の外を見ていたドラコは、そいつのために軽く窓を押して開けてやった。大きな翼を羽ばたかせて窓辺に舞い降りたのは、大きなワシミミズクだった。昨夜、グリフィンドールへ手紙を運んでくれたドラコの愛鳥は、きょろきょろと首を巡らしていた。
「好きだったんだ」
ドラコは静かに呟き、ワシミミズクのくちばしの下を撫でてやった。ワシミミズクは気持ちよさそうに目を細める。
「彼女だけは、・・・自分の力で手に入れたかったんだ」
欲しいものは全て手に入れてきた。どんなものでも、家の名前がある限り不可能ではなかった。でもだけは、どうやっても手に入れることはできなかった。これ以上足掻くのはみっともないと思った。これでは駄々をこねる幼い子どもと一緒だ。強い自分でありたかった。愛した少女を守る騎士でいたかった。たまっていたものが吐き出すように、ドラコは長いため息をついた。そして窓の外に積もる白い雪を見つめ、苦笑した。
「もっと強くならないとな・・・・」
ドラコはゆっくりと赤く充血した目を閉じた。ワシミミズクはクルルと鳴くと、目を細めて主人を慰めるようにドラコの指に身体をすり寄せた。
ようやく朝日が昇り始めたばかりの塔の最上階にはいた。ここで何百羽もの梟が休息を取っていた。梟たちも朝の手紙の配達に向けて体力を蓄えるべく眠っていた。は天井近くの宿り木に目を向けると、口元に手を当て、囁くような声で名前を呼んだ。
「おいで、シュガー」
小さな小さな声で呼ばれたのに、それはきちんと主人の声を聞き取って羽ばたきながら降りてきた。の銀色の髪に近い白梟は、彼女の肩にとまると甘えるように身体をすり寄せた。は手近の低い止まり木にシュガーを降ろすと、その足に手紙をくくりつけた。
「お願いね、シュガー。お母さんのところに届けて」
が白梟の背中を優しく撫でると、気持ちよさそうに目を細めた。そして「お任せください!」とばかりに元気よく一鳴きすると、天窓から華麗に飛び立っていった。は窓辺に駆けより、遠く小さくなっていくシュガーの背中を見送った。
シュガーの姿が小さく消えていくのを見送って、は梟小屋がある塔を駆け下りた。そして階段を下りたところでの足は止まり、目を大きく見開いた。そこには、まるでが降りてくるのを待っていたかのようにハリーとロン、そしてハーマイオニーの3人が佇んでいた。3人とも肩を上下させて真っ白な息を吐き出している。ハーマイオニーの長い髪もハリーとロンのローブも、まるで全速力で走ってきたかのように乱れていた。の姿を見るや、3人は泣きそうな顔で駆けよってきた。
「!!」
苦悶の表情のハーマイオニーにぎゅっと抱きつかれ、はよろけながら彼女を受け止めた。
「ハーマイオニー・・・っ、」
「の馬鹿!!心配ばっかりかけて!!」
ハーマイオニーはの首にしがみついた。は、自分の首筋に触れる冷たい感触に息がつまった。ハーマイオニーの声は涙で掠れていた。しゃくり上げながらに抱きつく彼女の後ろには、赤い目をした2人の少年が立っていた。
「みんな・・・どうして、」
「夕べ、マルフォイが手紙をよこしたんだ。がいなくなったって。それで、雪の中を走る君の姿を偶然ネビルが見ていて」
昨夜の出来事を、ハリーはに言って聞かせた。スリザリン寮とグリフィンドール寮の間で交わされていたやり取りに、は目を見開いた。
「心配したんだ。すぐに助けに行こうと思った。でも、寮を出ようとしたところでマクゴナガル先生に見つかって、寮の中に閉じこめられてしまったんだ」
そのときのことをハリーはに説明した。3人がを助けに行くつもりだったと知り、は胸が苦しくなった。自分にしがみついて泣きじゃくるハーマイオニーの想いが、痛いほど伝わってきた。
「・・・、何やってるんだよ!雪の夜にどこ行ってたのさ?!」
気を緩めればハーマイオニー同様涙が零れそうなのを、ロンは歯を食いしばって耐えた。おそらくは3人とも一晩中起きていたのだろう。みんな目が真っ赤になっていた。
「大丈夫なのかい?どこも怪我したりしてないんだね?」
「う、うん・・・、大丈夫。・・・ハーマイオニー、私大丈夫よ」
「、・・・・・・っ」
ハーマイオニーのを抱きしめる腕からは一向に力が抜けなかった。もう絶対に放さないとばかりに強く抱きしめてきた。
「ハーマイオニー・・・、私どこも行かないから」
「いやよっ。だってあなた、・・・私たちが知らない間に消えちゃいそうな気がするんだものっ」
ハーマイオニーの悲しみに満ちた言葉がの胸に突き刺さった。はハーマイオニーの背中を撫でてやるくらいしかできなかった。
「、どうして外になんか出たんだい?」
心配そうなハリーの顔が、の胸の痛みを増幅させた。は唇を噛み、罪悪感にも似た気持ちで告白した。
「私ね、・・・死んじゃいたいくらい嫌なことがあってね」
それが正直な気持ちだった。3人はの言葉に目を見開いた。ずっとにしがみついていたハーマイオニーは、ようやく彼女から身体を離した。ハーマイオニーはとてもショックを受けた顔をしていた。は泣きそうな顔で、崩れた笑みを浮かべた。
「もう、どうしようもなくて・・・。私なんて、・・・消えちゃってもいいかなって。それでね、外に、」
の言葉は最後まで続かなかった。ぱんっと乾いた音がして、は自分の頬に熱い痛みが走るのを覚えた。じんじんと痛む頬を手で押さえ、は正面を向いた。ハーマイオニーが、の頬を張った手をそのままに動きを止めていた。ハーマイオニーの表情は厳しく、そして彼女は静かに泣いていた。
「、・・・あなた本当にバカよ!!なんで、・・なんでそんなこと言うのっ?」
「ハーマイ、オニー・・・」
「、僕たちのこと友達だって言ったじゃないか!」
「そうだよ、どうして何も言ってくれないんだい?」
ロンもハリーも我慢の限界だった。ロンはぼろぼろと涙をこぼし、ハリーもまた細い涙が頬を伝っていた。3人の泣き顔を呆然と見つめるの胸は、今にも張り裂けそうだった。自分勝手なわがままで取った行動が3人を苦しめた。今ようやく気づいた。小さい頃から夢見ていた大切なものを、なくしてしまうところだった。
「・・・・・っ、」
ハーマイオニーはの肩に額を預け、彼女の小さな頭を抱きしめた。ハーマイオニーの涙は、のローブに吸い込まれていった。
「お願いよ、・・・ひとりでどこかに行ったりしないで・・・っ。あたしたちのこと・・・もっと頼ってよ・・っ」
あなたはもうひとりじゃないのよ。
そう言われた気がした。の身体から力が抜けた。の膝が折れ、ハーマイオニーと一緒にその場に崩れ落ちた。自分を抱きしめてくれるハーマイオニーの背中に両手を回し、は彼女をぎゅっと抱きしめた。そして、ゆっくりと声を上げて泣いた。
「ごめん、・・・なさいっ。ごめんね、・・・ごめんね、みんな・・っ」
隠す必要なんかなかった。はハーマイオニーに抱かれ、ハリーとロンに見守られて、大声で泣いた。
「ごめんね・・・ありがとう、みんな、・・・みんな、大好き・・だよ・・っ」
『お母さん、元気ですか?
突然ですが、報告したいことがあります
私、大切な人ができました
お母さんはきっとびっくりすることでしょう
もしかしたら怒っているかもしれませんね
でも、私は幸せです
ホグワーツに来て本当によかった
だから心配しないでください
どうか泣かないで
もし私に何かあったら連絡がいくと思います
そのときはごめんなさい
先に謝っておくね
お父さんにもよろしくね
それではまた手紙を書きます
・
P.S. お母さん。私、生まれてきてよかったです
ありがとう』
薄暗い部屋を照らす光源は、暖炉で暖かく燃える炎だけだった。スネイプはソファーに座り、手にした書物に視線を走らせる。時折、自分の肩に頭を預けて眠る少女の様子をうかがいながら。
今朝早くにこの部屋を出て行ったばかりのが、数時間足らずでスネイプのもとへと戻ってきた。それも、笑顔で出て行ったはずが、ぼろぼろと涙を流してくるから何事かとスネイプは肝を冷やした。寮に戻ってから何かあったのかと尋ねれば、は談話室でのドラコとのこと、ハーマイオニーたちとのことを涙の合間合間に話して聞かせた。
『私が馬鹿でした・・・、みんなに甘えて、心配してくれていることにも気づかないで・・っ』
下を向いたまま泣き続ける少女の頭を、スネイプは優しく撫でてやった。
『先生・・・。私、みんなのことが好きです・・・、大好きです。今だけは・・・自惚れていたいです・・・』
私がみんなのことを好きなように、みんなが私のことも好きでいてくれているって、そう思っていたい。
幸せな想いが涙となって彼女の頬を伝い続けた。スネイプは表情を緩め、愛する少女を優しく抱きしめた。
どのくらい時間が経っただろうか。落ち着いたはソファーに腰掛けると、スネイプに寄りかかって眠ってしまったのだ。無防備なその姿に、思わずスネイプも笑みがこぼれた。
(泣き疲れか。まだまだ子供だな)
スネイプはぱたりと本を閉じると、を起こさないように注意を払い、そっと軽い身体を抱き上げた。そのまま寝室へ連れて行くと、柔らかなシーツの上に彼女を寝かせた。泣き腫れた瞼に軽く口付けると、スネイプは静かに扉を閉めた。
は今どんな夢を見ているのだろう
それはおそらく、たくさんの仲間に囲まれて笑う夢だろう
もう、ひとりじゃない
見守ってくれる仲間がいる
愛してくれる人がいる
幸せな想いに浸りながら、彼女は眠りにつく
“大切な人ができました。私は幸せです”
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