ドリーム小説
伝えたいことはちゃんとあったんだ。ただ伝え方を間違ってしまった。彼の前でもっと素直に、可愛い女の子でありたいのに
上手くいかない自分に腹が立つ。自分を置いていってしまった冷たい彼にも腹が立つ
ぷくりと頬を膨らませる。けれど綺麗な眉は哀しげに下がっていた
「先生のばか・・・」
しーん・・・
悪態つくも、暗くて静かな部屋に虚しく響いただけ。は唇を尖らせて思いつくだけの悪口を言ってみた
「先生のアホ。ハゲ。パイナポー。意地悪。すけべ。エロ親父。ぶしょうひげ。あと・・・えーと・・・アホ」
「最初に戻ってるよい」
「ふへ・・・?」
「お前の悪口の語彙は小学生レベルかい」
「え、・・・そ・・・その声は・・・――っ」
は機械人形のようにぐるりと首を後ろに回した。そこには・・・やはり思った通りマルコの姿があった
真っ暗な中、扉に寄りかかって腕を組んでを見ている
「せ・・・先生っ!?な、な、なんで・・・っ!?」
今さっき帰ったはずじゃ・・・!?焦るに、彼がにやりと笑ったのが暗闇でもわかった
「さっきガラガラって・・・っ?」
「帰ったふりしたんだよい」
「んな、なんですと・・・!?」
扉を開け閉めしただけで、実はずっと扉に寄りかかって彼女を眺めていたわけだ
なんて意地悪な!そこで黙って立って悪口も全部聞いていたわけか。不敵ににやっと笑う彼にの笑顔が引きつっていく
「さて、ねぃ」
「・・・な、なんでしょう」
「アホでハゲでパイナポーで意地悪ですけべでエロ親父で不精髭な彼氏で悪かったねぃ」
「せ、先生・・・暗記力すごいですねっ」
フォローにもならないことを言って、ゆっくりとソファーに近づいてくる彼から逃げるようには端っこまで後ずさりした
マルコがソファーに膝をついてぎしりとスプリングの軋む音がしてはごくりと唾を飲み込んだ
あぁ・・・呆れられたばかりなのに今度は怒られるのか。どんなお仕置きをされるのやら
マルコからは逃げられない。観念したはソファーの手すりを背にしてギュッと目を閉じた。けれど彼女に訪れたのは
「なんで帰りたくねぇんだよい」
「・・・え・・・?」
さっきまでの冷たい声じゃなくて、いつものマルコの声で問いかけられた。はパチリと目を開ける
結構近い距離でマルコと目が合った。マルコはを見つめてふっと笑った。それから
「よっと」
「え、わ・・・んぎゃ!」
腕をグッと引っ張られて、彼の胸に背中を預けて後ろから抱きしめられるような形に変えられてしまった
両肩をすっぽり覆うようにぎゅうっと抱きしめられて彼の体温にとくんと心臓が揺れる
ぴったりくっついて二人の距離はゼロ。彼の唇がの耳元に寄る
「で。なんで帰るの渋ってたんだい」
「あ・・・え、と・・・」
「なんか理由があるんだろい」
「う・・・理由、というほどのものじゃ・・・ないんですけどね」
「いいから。言ってみろって」
「・・・っ」
今度は聞いてやるよい。幾分か素直に言いたいことを言えるようになった彼女にマルコはクスリと笑う
は「あー」とか「うー」とか唸っていたが、観念したのかしばらくして正直に訳を話した
「帰るのがめんどくさかったわけじゃなくて、・・・明日からの三連休がやだったんです」
彼女の答えはにわかには理解しがたいものだった。普通はみんな手放しに喜ぶはずの連休だろうに
「なんだ。連休嬉しくねぇのかい」
「う・・・嬉しくないですねぇ」
「なんで」
「だって・・・来週試験だから連休中は部活もないし」
「いいじゃねぇか。お前赤点女王なんだからしっかり勉強しろよい」
「それはまぁしますけど・・・、そうじゃなくてですね」
「んぁ?」
「・・・」
彼女は少しだけ黙ると、自分の体をきつく抱きしめる彼の腕をつんつんと指でつっついた
「先生に三日間も会えないの、・・・なんかやで」
「・・・」
そう言って彼女は静かになってしまった
後ろから抱きしめているから顔は見えないけれどたぶんちょっとふて腐れてる
の気持ちをマルコは理解してやった。それは二人が付き合うことになったとき決めたことなのだ
どこで誰に会うかわからないから日中外でのデートはできないと
だから三日連休中は恋人らしいデートの約束はなし。部活もないから会うこともない
「メールや電話はできるだろうよい」
「できるけどさ・・・、けど声聞いたら会いたくなっちゃうよ」
想いが余計に募るだけだ。声を聞けば会いたくなる。会えば肌に触れたくなる
抜け出せないループに嵌ってしまう。けれどやっぱり会えないのは寂しい
だから帰りたくなくて、今日という日がもっと続けばいいと駄々をこねた
「すみませんねぇ・・・甘ったれで」
たはは、と眉を下げて彼女は笑う。情けない自分を笑う。きっとマルコにも笑われてしまうだろう
いや、呆れられてしまうか。今度こそ置いていかれてしまうかもね
なんて考えていたらふっとの体を抱きしめていたマルコの腕が緩んでいった
「はれ?」
「ったく。本当にお前はあほで甘ったれだよい」
「たはは、否定できない・・・、って・・・んっ?!」
細い顎に指をかけられて上を向かせられ、有無を言わさずのキス
覆い被されて真っ暗闇で何も見えず、確かに感じるのは彼の唇の熱さだけ
呼吸すらもすべて奪っていくようなキスにの息はどんどん荒くなっていく
「はっ・・・待っ、」
「まだだよい」
「・・・―んっ、・・ぁ・・・――っ!?」
とくとくと速さを増していた鼓動がとくんと跳ねる。キスをしながら彼の右手がのネクタイを緩めていた
プチプチと聞こえるのはボタンを外される音だ。妙な期待が彼女の体の熱を勝手に上げる
マルコの手は彼女の期待に反せずするりとシャツの襟元から滑り込んできてブラの中に侵入していく
同い年の女の子よりだいぶ大きいの胸をもぎゅっと掴み、それからつんっと立った蕾を指の腹でいじくる
「ふ、・・は・・―っ」
キスの合間合間に彼女の唇から甘い声が漏れる。マルコはゆっくりと唇を放してやる
彼の唇と右手に感じさせられ、は首をのけぞらせたままヒクリと体を震わせた
触れれば触れるほどマルコの思い通りに育っていく彼女の体に、ぺろりと舌なめずりをして笑ってしまう
「」
「・・・?」
「入ったかよい。やる気スイッチ」
「・・・っ」
何のやる気スイッチだ、何の。やっぱりエロ親父だと言ってやりたいけれど
マルコによって意識をとろとろにされてしまい、は耳を赤くして俯き呟く
「・・・半分くらい」
「ふは、・・・ぷっ、くくっ。上出来だよい。なら、」
すぐ全開にしてやるよい
息を吹きかけるように耳打ちすれば、は嫌だとも言わず視線をマルコからそらしてほっぺたを赤くする
「・・・どこで?」
「ん?」
全開にしてくれるって、どこでですか?だって外でのデートはできないのに。しかもこんな夜遅くに
彼女の不安と疑問に、マルコはふっと息を吐いて笑って。それから彼女に答えを預けてくれた
「ほれ」
「え?」
チャリンと金属音が耳元で聞こえた。と思ったら
「ぽいっとねぃ」
「へ・・・、うひゃあぁ!?つめたっ!!」
心臓が止まるかと思った。開いたシャツの胸元に冷えた何かがぽとりと落ちてきた
わたわたと慌てて取り出した異物は、見慣れた車のキー
「鍵・・・」
「職員室に用がある。先行って中入って待ってろい」
停めてある場所はわかるだろ。そう言われては後ろを振り向いてマルコを見上げた
暗闇の中、外の街灯に半分だけ照らし出された彼の顔は笑っていた
「行ってみたいって言ってただろい」
「・・・あ」
ポンポンと頭を叩かれて、何かを思い出したの耳はじわじわと赤くなっていく
うん、覚えてる。言った・・・確かに言ったことがある。一度ならず何度も
先生の部屋に行ってみたい、って
ぐしゃぐしゃとの頭をかき回してマルコは先にソファーから立ち上がった
「んじゃ、今夜はたっぷり堪能させてもらおうかねぃ」
「ふへ・・・?あ・・・、はい」
「んで。明日の午前中まではぐだぐだだろうけど。明日の午後からしあさってまでは勉強漬けだよい」
「げ・・・」
「何が『げ』だい。ただでマンツーマン家庭教師がつくんだ、ありがたく思えよい」
「ありがたくない・・・。・・・って、え?しあさってまでって」
「ほれ。とっとと荷物まとめて出ろよい」
「せんせ・・・、それって!」
それってそれって・・・つまりそういうこと!?
彼女が全部言い終わる前にマルコは今度こそ部屋を出て行ってしまった
残されたはソファーの上にぺたりと座り込んで扉をボォッと見つめていた。が、ゆっくりと思考回路が戻ってきて
あほっ子の彼女でも何とか理解した彼の言葉にじわじわと笑みが広がっていく
静かな部屋に「いやっほーい!」とあほみたいな、けれど幸せいっぱいなガッツポーズが響き渡るのだった
教師と生徒の恋模様
25:下校拒否の行く末
※ぎゃ!お持ち帰りマルコ先生vv
おいしく食べられてしまえ!
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