ドリーム小説
お帰りなさい 私の大切な人
弱く脆い私を救ってくれてありがとう
聞こえますか 私の声が
聞こえたなら 私に会いに来て
私はずっと待っています
■ 魔女の条件 〜The Love of the Maiden〜 <29> The Last Song ■
誰かに呼ばれたような気がして、スネイプは一人きりの部屋で後ろを振り返った。だがそこにあるのは無数の本を並べた本棚ばかり。夢の余韻か、はたまた幻聴か。気のせいか、とスネイプはソファーの背にかけられたローブを羽織り、ポケットに小さな石を忍ばせた。スネイプは部屋を後にし、足早に廊下を進んだ。時間が惜しい。早く彼女のもとに。だがスネイプが地下エリアを出て数歩も歩かないうちに、廊下の向こうからマダム・ポンフリーが走ってくるのが見えた。温厚な彼女にしては珍しく、ひどく焦っている。マダムの視線は、間違いなくスネイプに向いていた。
「セブルス、早く来てちょうだい!」
混乱ぎみのマダムはスネイプを学生の頃と同じように呼ぶ。それほどまでにマダムを慌てさせる事が起きたのだ。尋常ではない事態を察し、スネイプは足取りを早めた。
「何があったのですか、マダム」
近づいてみれば思った以上にマダムの顔は青ざめていて、スネイプを余計に不安にさせた。マダムはスネイプのローブの袖を掴むと、そのまま引っ張っていこうとした。
「ダンブルドア校長もご両親も皆集まっているわ。お願いよ・・・、あなたも早くっ!ミス・が・・・っ」
「・・・!」
最後まで聞かずともその名前を聞いただけでスネイプの鼓動はどくりと跳ねた。自然と足は速まる。袖を引いていたマダムはスネイプから手を離した。スネイプはマダムの横をすり抜け、一直線に保健室へと向かった。
保健室のドアを乱暴に開けると、そこはアイリーンの叫び声で満ちていた。悲痛な叫びは聞く者をつらく哀しくさせる。が眠るベッドに覆い被さるようにしてアイリーンは泣き叫んでいた。その横にエリックが立ちつくし、そのそばにダンブルドアがいた。エリックとダンブルドアはスネイプが来たことに気付くと、哀しげな視線を送った。
「セブルス・・」
「・・・スネイプ先生」
「ミスター・・・・、一体何が」
エリックは言葉が出ないようで苦渋の顔で俯いてしまった。スネイプの頭の中に警鐘が鳴り響く。
「!お願い、・・・お願いだから目を覚ましてっ!!」
アイリーンはベッドに横たわる娘に抱きつき泣き叫んでいた。母親に抱きつかれるはとても安らかな顔で、まるで眠っているように見えた。だが、ただ寝ているだけなら何故母親はこんなにも平静を失い、父親は唇を噛みしめる。程なくして追いついたマダムがスネイプの傍により、の容態を話して聞かせた。
「心臓は動いています。でも、もう息は・・・」
スネイプの目の前が暗くなった。体は鉛を流し込まれたかのように動かなかった。指先が情けないことに小さく震えている。スネイプはぎこちない動きでベッドに横たわる少女へと首を向けた。そして彼女の姿を見て、スネイプは驚きに目を見開いた。吐血と嘔吐を繰り返し痩せ細っていたの体が、保健室に運ばれる前の血色の良い体に戻っていた。苦しさを紛らわすために自分でつけていた傷も、一つ残らず消えている。
「・・・これは、マダムが治癒されたのですか」
「いいえ。先程見たら、こうなっていました。ですが、そのときにはもう、呼吸は停まっていたのです・・・」
マダムは白いエプロンの裾を持ち上げ、目元にあてがった。スネイプやアイリーンよりも長い時間の看病をしたマダムにとって、は最早娘同然となっていた。エプロンに顔を隠し、嗚咽を殺して涙を流す。そんなマダムの肩をダンブルドアがそっと抱いて慰めた。スネイプはただじっとを見下ろした。それは本当に、ただ眠っているようだった。
―――・・・
名前を呼べば何事もなかったかのように目を開けて微笑むのではないかと思われるほど、の寝顔は綺麗だった。の白銀の髪が、窓から差し込む光に反射する。
突然のの訃報。それは聞く者すべてに深い悲しみを与える。だが、スネイプが暗闇の中に落とされたのは僅かな時間だった。息をしていない少女を目の前にして、スネイプはもう不思議なくらい落ち着いていた。アイリーンとエリック、そしてマダムたちが今すべきことは、の死を悼み悲しむこと。だが、自分は違う。スネイプにはやらなければならないことがあった。
「ミセス、ミスター・。申し訳ありませんが、・・・今、彼女と2人にしていただけませんか。できることなら、お呼びするまで全員入室を控えていただきたい」
スネイプはエリックに向かい落ち着いた口調でそう告げた。はじめ、エリックは驚きの顔でスネイプを見つめた。だが、二人は目を合わせ視線で語り合ううちに、エリックがスネイプの想いを汲んで取った。穏やかな表情で、エリックはスネイプに向かってゆっくりと頷いた。その一方で、アイリーンはに抱きついたまま首だけをスネイプに向け、信じられないという顔をした。何故親でもないこの男がそんなことを言うのか。アイリーンは抗議に満ちた目でスネイプを見上げた。スネイプはその視線から逃げることなく、静かにアイリーンの目を見つめた。動こうとしないアイリーンの肩をエリックが叩き、から離そうとした。だが、
「アイリーン、出よう。スネイプ先生のおっしゃるとおりにしよう」
「どうして・・・?いや、・・・いやよっ。この子は私たちの娘よ。私がそばにいてはいけないの!?」
「アイリーン・・・」
娘から離れようとしない母親の気持ちはエリックにもよくわかった。アイリーンはなおもに覆い被さり守ろうとする。だが、もはや息を停めた娘に抱きすがるアイリーンの姿は、見ている者たちを尚一層哀しくさせるだけだった。
「、・・・・・・っ」
アイリーンは何度も娘の名を呼び続けた。エリックは妻ながら憐れみの目を向け、苦渋に満ちた顔でに覆い被さるアイリーンの背中を抱きしめた。そしての手を握るアイリーンの指を、優しく解いていった。アイリーンをから引き剥がし、エリックは妻を胸の中に抱きしめた。
「・・・いやよっ。エリック、離して・・・っ」
「アイリーン。哀しいが、私たちがいてもどうしようもないんだ。私たちがにしてやれることはないんだ」
「いや・・・、・・・!」
「頼む。もしも君がを愛しているのなら、・・・今はスネイプ先生に任せよう。彼がそばにいることを、も望んでいる」
幼い子をなだめるように言うと、エリックはアイリーンの体を支えながらベッドに背を向けさせた。エリックの言葉を受け入れたかどうかはわからない。だが、アイリーンはもはや取り乱して暴れることもなく、憔悴した顔でエリックに支えられていた。妻を連れて保健室を去ろうとするエリックに、スネイプは通り過ぎる際に小さな声で声をかけた。
「ミスター・。我輩を、・・・恨みますか」
スネイプの苦渋の問いかけに、だがエリックはいつものように穏やかに笑った顔を向けた。
「言ったでしょう。私はあなたに感謝以外の気持ちを抱いてはいませんよ」
「・・・・・」
「そんな顔をなさらないでください、スネイプ先生。こんな状態になってもね、・・・娘には、最後まで幸せでいてほしいのですよ。それには私たちより、あなたが適任でしょう」
エリックがスネイプの横を通り過ぎ、妻を抱えたまま保健室の出入り口へと足を進めていった。娘のそばにいたい。その強い想いをスネイプに譲るエリックの気持ちは、スネイプにも痛いほど伝わってきた。
「スネイプ先生」
「・・・・」
「娘を、・・をお願いします」
小さな、だが力強い声に背中を押された。ダンブルドアもスネイプの肩を叩き、「後は頼んだぞ」と言い残し、マダムを連れて出ていった。スネイプは閉じられた扉に向かい、静かに頭を下げた。
窓から吹く心地よい風がカーテンを優しく揺らしていた。スネイプはベッド脇に置かれた椅子に座り、もう一度しっかりと少女の顔を眺めた。耳を澄ませば、静かな寝息が聞こえてきそうなほど安らかな顔だった。だが彼女からはもう生きる者の音は聞こえてこず、そこには静寂だけが流れていた。
「、・・・眠っているのだろう」
から返事が返ってくることはない。それでもスネイプは声をかけ続けた。
「君のおかげで、我輩は帰ってくることができたのだよ」
微風が、そっとの髪を揺らした。それでも少女の瞼はぴくりとも動かない。
「言ったであろう。我輩より先に死ぬことは許さん、と。いい加減に目を覚ましたらどうだ」
返事は、ない。あの夢の中のような声はもう聞こえてこない。スネイプは手を伸ばし、の頬にかかった髪を払ってやった。死してなおも変わらず、は美しくあった。自分も同じ成分で構成されているのが不思議なくらい、穢れなく美しかった。死をもっての呪いが解けたというのなら、悪魔はに与えていた全知全能の力も美貌もすべてを奪っていったはずだ。それでもなお、これほどまでに美しい。
「綺麗だ・・・、怖いくらいにな」
スネイプは苦笑すると、の手を取り、手のひらに軽く口付けた。柔らかく、まだ十分に暖かみを帯びている肌に。それでも少女からは何の反応も返ってこなかった。
「・・・、君に伝えたいことがある」
スネイプはローブを探り、一粒の小さな石を取り出した。それは、まるでに呼応するかのように金色の輝きを放っていた。あの詩と同じ、黄金色の輝きだった。スネイプは椅子から立ち上がり、ベッドサイドに腰掛けた。眠るの顔の横に手をつき、ゆっくりと顔を近づけ、そっと額を合わせて目を閉じた。
・・・、
愛しい人 君に捧ぐ
「愛している。今までも、これからも。、・・・・君だけを永遠に、ずっと愛し続ける」
スネイプは自分の口に小さな石を含むと、そっとの唇に口付けた。小さな石をの体内へと送り込む。スネイプは最後にもう一度だけキスを落とすと、名残惜しげに唇を離した。そうして額を合わせたまま、静かに目を閉じた。
「」
鍵となる石を彼女の体に戻そうと、何度名前を呼ぼうと、の眠りが覚めることはなかった。少女は頑なに瞳を閉じ続けた。スネイプは風で乱れたの髪を整え、そっと頭を撫でてやった。誰にも見せたことのない、優しい顔で。
「愛している、。・・・今度は、我輩が待とう」
どんなときも、いつも待っていてくれたのは君の方だった。だから、今度は自分が待とう。君が目覚めるまで、いつまでも待とう。
スネイプはの横に倒れるように横たわり、静かに目を閉じた。愛しい者の細い手をとり、けして離すまいと握りしめ。ただひたすら、愛しい人が目を覚ますのを待ち続けた。
陽の光が穏やかに差し込み、寄り添う二人を照らし出す。
柔らかい風が吹き入れ、男の黒い髪と少女の銀糸の髪を優しく揺らした。
二人の手が離れることはない。
そばにいると約束したから。
男が少女の手を離すことはなかった。
―――愛している。愛している。愛している。今までも、これからも・・・・
君だけを永遠に、愛し続ける・・・・
繋いだ手から、彼の想いが流れてくる。
眠る少女の頬を、静かに一筋の涙が流れ落ちた。
The sun sets, and the moon rises
――― 日が沈むとき命の光は消え やがて月が昇り死を喰う闇が訪れる
The fire burns, and the water flows
――― 火の灯りを待ち闇は紅い血を求め彷徨い 痛みと哀しみに流れる涙はやがて川となる
The tree sprouts, and then it grows ripe
――― だが水の恩恵を得た木は萌え盛り その身に金色の実をつける
Bury it under the earth, if so the sun rises again
――― 土に埋め待ち続けよう 大地は尊い命を育み 日はまた昇り命の光を灯すだろう
―――スネイプ先生
誰かに呼ばれたような気がして、スネイプはゆっくりと目を覚ました。ゆっくりと瞼を押し上げると部屋は薄暗く、それが夕闇なのか朝焼けなのかすらわからなかった。西側の窓から差し込む光がないことに、それが朝の薄闇だと気付く。いつのまにか深く眠りについてしまい、夜が明けていたらしい。一体どのくらい寝てしまったのだろう。近くの壁にかけられた動くカレンダーを見て、今日が少女が倒れてから7日目だということを知る。
そして半覚醒の状態でいたスネイプは、次の瞬間重大な異変に気付いた。ずっと握っていた彼女の手はなく、それどころかベッドで息もせず眠りについていた少女が消えていた。
「・・・!?」
包んでいたぬくもりも少女も消え、スネイプの心臓が早鐘のように脈打った。ベッドには確かに人が寝ていた痕跡はあるが、今は誰もいない。そこには消えた少女の代わりに光り輝くものがぽつりと横たわっていた。スネイプはそれを手に取り眺めた。それは青い石のはめ込まれた銀色の指輪だった。内側には、確かに彼女への愛が刻まれている。記憶をなくしてからもずっと大切にが持ち続けてくれたものだった。
スネイプはリングを手に不安を覚えた。それはまるで、リングだけを残してが雪のように溶けて消えてしまったかのようだった。だがそんなわけはないとスネイプはよぎる不安を打ち消した。手の中のリングを握り締めると、スネイプは急ぎ保健室を飛び出した。陽も昇らぬ早朝の校内には誰もいなかった。恐ろしいほど静まりかえる廊下を、スネイプは必死に駆けた。進む足先に迷いはなく、はじめから決まっているようだった。
行くべき場所は決まっていた。スネイプはただただ足を進めた―――が待つ場所へと。
―――私はずっと待っています
すべての始まりの場所。少女はそこでずっと待ち続けていた。
すべてはここから始まった。彼と出逢い、はじめて視線を、声を交わしたこの場所で。
伝えたいことがあった。記憶を失いながらも夢の中でずっと繋がっていた大切な人。
あなたに伝えたいことがある。早く来てほしい。だから、
「スネイプ先生」
呼べば必ず答えてくれる。いつだってそうだった。私たちは、出逢う前から見えない糸で繋がっていた。
「!!」
*
大広間の扉を押し開けた瞬間、まばゆい光がスネイプを包み込んだ。頭上から降り注ぐ光は、紅い絨毯の終点を照らし出す。そこにあるのは、組み分け儀式で帽子が置かれる椅子だった。始まりを告げる場所。閑散とした広間の先で、小さな椅子にぽつりと座って天井を仰ぐ少女がいた。少女は扉が開く音を聞き、ゆっくりと扉の方へと顔を向けた。そしてスネイプに向かって柔らかく微笑んだ。変わらない笑顔、―――スネイプが夢の中で約束した笑顔で。少女はゆっくりと椅子から立ち上がり、扉の前に立つスネイプと長い絨毯を挟んで向かい合った。光に満ちた、優しい蒼い瞳がスネイプを見つめる。
「お待ちしてました。スネイプ先生」
その澄んだ声に懐かしささえ覚えた。スネイプは長い絨毯を一歩一歩踏みしめながら彼女のもとへと進んだ。笑顔でスネイプを迎える彼女の前で足を止めると、そっと彼女の頬に手を添えた。雪のように白い肌はあたたかく、生きた者のぬくもりを感じた。
「・・・」
「はい」
「本当に、・・・、なのだな」
見上げる先のスネイプは不安に顔に影を落としていた。少女はその不安を取り去るかのように微笑み、頬に触れるスネイプの手に自分の手を重ねた。
「・・・はい・・私は、」
―――やっと・・・、
「私は、あなたが夢の中で救ってくださった・・・・・・です」
―――やっと、逢えた
の蒼い瞳がうっすらと滲み、そしてスネイプを見上げて優しく微笑んだ。伝えたいことがたくさんありすぎて、それなのに涙をこらえるので精一杯で言葉にならなかった。
苦しみの中に姿を消してしまった私に気付いてくれて、ありがとう。
弱く泣くことしかできなかった小さな私のことも救ってくれて、ありがとう。
すべて覚えている。あなたとの記憶も、夢の中でのことも、記憶がなくなっていた間のことも。
そして、あなたが私の記憶を取り戻してくれたことも。
触れ合う手を通しての心が流れてくるのがわかった。それは日だまりのように暖かく、スネイプを優しく包み込んだ。じわじわと胸に染みこんでくる。ようやく・・・
―――ようやくを取り戻せた
スネイプは俯き、きつく目を閉じた。平静でいなければと自分を戒めながらも、・・・本当は苦しかった。を失うのではないかと、もう二度と逢えなくなるのではないかと。精神が壊れそうだった。
俯いたまま苦しみの残滓に耐えていれば、スネイプの頬をそっと包んでくれるあたたかい両手が伸びてきた。それからはこつりとスネイプと額を合わせ、目を閉じて告げた。「あなたにお返したい言葉があります」と。天井から差し込む光にの銀色の髪がきらきらと光り、目が眩んだ。
「あなたを、愛しています。今までも、これからも。私はあなたを、・・・セブルス・スネイプを永遠に、ずっと愛し続けます」
死の淵で彷徨う私を救ってくれた、あなたがくれた愛の言葉
私も同じ想いであることを、きちんとあなたに伝えたい
眠るに告げた言葉は、贈った本人と贈られた彼女しか知らない。はそっと額を離し、驚いた顔をするスネイプにふっと微笑んだ。「先生の言葉、ちゃんと届いていましたよ」と。嬉しそうに頬を染めてが笑うから、スネイプは静かに目を閉じて唇をもたげた。そっとの頭を抱きしめる。それから、
「君に、誓おう」
の耳元に口を近づけ、静かに告げた。スネイプはローブからリングを取り出し、そして彼女の細い手を―――左手をとった。は目を丸くしてスネイプを見上げる。スネイプは、照れ隠しするように苦笑した。
もう二度と離しはしない
二人で歩んでいく道がある
病めるときも 健やかなるときも
ずっとともに
「セブルス・スネイプは、・を妻とし、生涯愛し続けることを誓う」
二人だけの誓いの儀式。どうか聞いていてほしい、二人を優しく包む陽の光よ。
は驚きの目でスネイプを見上げた。スネイプは優しく蒼い瞳を見下ろす。スネイプの目がに問いかけていた。答えを求めて。答えなど、・・・はじめから一つしかないのに。蒼い瞳は涙に溢れ、静かに瞼を閉じれば大粒の涙が流れ落ちた。
―――その言葉を聞きたかった。あなたにもう一度愛してもらうために還ってきた
そして彼の想いに答えるために、は涙を拭い、透き通った蒼い瞳でスネイプを見上げた。
「私・は、セブルス・スネイプを夫とし、生涯愛し続けることを、・・・誓います」
見上げる先には、優しく自分を見下ろす漆黒の瞳があった。互いに誓いを告げ、そっと唇を重ね合わせた。見つめ合い、スネイプはの左手に銀色に光るリングを贈った。もうけして離れぬよう強くを抱きしめる。自分の腕の中で幸せそうに笑うを見下ろし、スネイプも薄く笑い、そっと口付けた。
もう2人を阻むものは何もない
見つめる先には愛しい者の笑顔がある
静かに降り注ぐ淡い光が、2人を永遠に祝福し続けた
―――先生。私、今なら自分が生まれてきた理由がわかります
―――ほぉ。どうしてかね
少女はその続きを言わない。代わりに溢れんばかりの笑顔で彼にキスを贈った。
あなたに会うために生まれてきました
あなたと恋するために生まれてきました
あなたを愛するために生まれてきました
− fin −
+++ Postscript +++
『魔女の条件』閉幕です。いかがでしたでしょうか
小説を書くのは人生初のチャレンジでした。右往左往しながら何とかこの作品を書き上げたのは確か大学時代?
あれから数年経ち、今回改訂作業を経て新『魔女の条件』として生まれ変わりました
加筆修正が多く加えられ、元の作品よりだいぶ内容の濃いものとなってしまいましたが、無事終えられたのも応援してくださった皆様のおかげです
読んでくださった皆様にもう一度心より感謝申し上げます
これからももっと楽しんでいただけるよう、たくさんの夢をお届けしたいです
それではこれにて『魔女の条件』閉幕とさせていただきます
もう一度、読んでくださった皆様に、「ありがとうございました!!」
+++ Cast +++
・(It's you!)
Severus Snape
Draco Malfoy
Harry Potter
Ronald Weasley
Hermione Granger
Neville Longbottom
Fred & George Weasley
Pansy Parkinson
Albus Dumbledore
Minerva McGonagall
Sybill Trelawney
Madam Pomfrey
Olivia Lawrence
Elick & Aileen
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