ドリーム小説
ミーンミンミンミンミン……ジージージージージージー……
蝉がわんわんと鳴いている
照り付ける太陽、火傷しそうな強い陽射し
季節は夏真っ只中。学生諸君はただいま夏休み中
けれどOP学園高等部の校舎内からは生徒たちの声がまばらに聞こえてくる
彼らは現在補習中の生徒。OP学園では夏休み前の成績が悪かった者に対して夏季補習を行なっているのだ
3年生の教室を覗いてみると窓側の席には見慣れた三人、エース、サボの姿もあった
「うがぁ!!なんで夏休みだってーのに学校来て勉強しなきゃなんねーんだ!」
「説明しよう!それはですね、1学期の君の成績が見るも無残な壊滅的結果だったからですよエースくん」
「お前に言われたくねーよ!世界史と家庭科以外俺とどっこいどっこいのくせに!」
「う、うるさいなっ。一つでも取り柄があるんだからエースよりマシだよ!」
「はいはい、2人ともストップ。不毛な言い合いしてないでプリントやりなさいね」
「てめぇサボ……この真面目くんが。なんで成績優秀組のお前も補習に来てんだよ」
「なんでって補習は成績に関係なく希望すれば誰でも参加できるんだぜ」
「なに?」
「だからかぁ、ちょいちょい上位組見かけたのは」
「まぁ別に出なくてもいいんだけどちょっと不安なところあるし。それに俺がいないとお前ら補習のプリントすら終わらないだろ」
「サ、サボォ……かっこいいよぉ!」
「く……、お前見直しちまったじゃねぇーか。さすがは俺の兄弟!」
「おう、もっと褒めていいぞ」
「サボ素敵!男前!」
「このいぶし銀!憎いあんちくしょうめ!」
と、調子に乗り始めた3人。そこに教壇から補習監督の教師の声がかかる
「はーい、そこの3人。青春するのもいいけどそろそろ本気でプリントやんなさいね」
教卓に頬杖をついて補習を見守るのはこのクラスの担任サッチだ
「楽しそうなのはいいけどね、俺もそろそろ本気で怒っちゃうぞ〜」
「「「……!」」」
語尾にハートマークをつけて笑顔で脅され、3人は慌てて顔を伏せてプリントと向き合った
ようやく静けさを取り戻した教室内にカリカリと鉛筆の走る音だけが響き渡る
サッチは教室の半分ほどの席を埋める生徒たちの様子を観察しつつ、卓上に大量の書類を広げその処理を行っていた
生徒の成績処理やら部活の会計やら1学期に溜めこんだ雑務の締切が間近なのだ
「一杯おごるから手伝って♪」とマルコにお願いしたら「お断りだよい」とすっぱりフラれてしまった
ということで現在補習の監督をしながら書類と格闘しているサッチ先生だった
「先生、終わったらどうすればいいですかー?」
「おー、ここに答えあるから持ってって自己採点して提出な」
「はーい」
生徒の質問に答えるのに顔を上げると、ついでにとさっきまでうるさかった3人の様子を窺った
全員真面目にカリカリとペンを動かしている
涼しげな顔のサボに対し、とエースは鼻先にくさやでもぶら下げられているような苦痛の顔で問題を解いているのが気になるが
まぁちゃんとやっているならいいだろうと書類に目を戻そうとして
(ん?)
サッチは何か気になるものを見たような気がして再び視線を彼らへ……へと向けた
そして難しい顔で問題を解くの姿を見たサッチは声には出さず心の中で「あ……」と呟いた
「うぁーん、問6まったくわからんよぉ……サボせんせー」
「はいはい、なんですかくん」
前の席に座るサボのシャツを引っ張って泣きつく
彼女の様子に特に変わったところは見られない。サボも普通に彼女に接している
けれど机に両腕を載せてサボの方へ身を乗り出すようにして話を聞いているの姿を見たサッチは思うのだった
これは早々にマルコに報告してさっさと解決させた方がいい事案だと
教師と生徒の恋模様
16:職員室で聞いた話
「マルコお前さ、ちょっとの胸揉みすぎなんじゃねぇ?」
「……ノックもなしに入ってくるなり何言ってんだよい、お前は」
エアコンの効いた涼しい社会科教員室
お昼片手にやってきたサッチの唐突な言葉にマルコは呆れた顔を彼に向けた
「もうお昼だぜ。飯食うぞ、飯」と順序もへったくれもなく言ってくるサッチにマルコは眼鏡を外して席を立つ
「お前、蕎麦と冷やし中華どっちがいい?」
「蕎麦。……って話をあっちこっち飛ばすんじゃねぇよ。の胸がなんだって?」
「んあ?あぁ、だからさ。お前が揉みすぎなんじゃねぇかって話しだよ」
「……なんでいきなりそんな話題になるんだよい」
サッチの頭の中がよくわからない
マルコはサッチの向かい側にどさりと腰をおろすとコンビニの蕎麦と割り箸を受け取った
サッチは冷やし中華のパックを開け、麺と具にタレをかけながらマルコに問いかけた
「お前さ、最近職員室の男どもの間でのことが話題になっての知ってるか?」
「……?いいや」
「だよな。お前休み中ほとんどここに居るもんな」
「こっちの方が資料そろってるからねぃ。それより何なんだよい、話題になってることってのは」
買ってきてもらった蕎麦のパックを開けながらマルコは続きを促した
話題が自分の恋人のこととあってマルコの食いつきは悪くない
サッチはタレをかけた麺を割り箸で解しながら続きを話した
「まぁなんつーか……実はちょっとお前に言いにくい話題なんだけどさ」
「今更何言ってんだよい。さっさと言えって」
「おう、なら言うけどよ、その話題ってのはの胸が去年よりだいぶ育ってるって内容でな」
「ぶっ」
「ほら、今夏服だから薄着だろ。あいつシャツの胸元のボタンが結構パツパツでさ、隙間からブラがチラッと見えるって男らの間で
話題になってて、俺も本当かよって思ってたんだけど今日補習中にふと見たら実際見えちまったんだよね。それにあいつ暑いからって
シャツのボタン上3つぐらい外してるだろ?だからかがんだりすると谷間もちょっと見えちゃったりするわけでそれがまた……
ってマルコ聞いてる?口から蕎麦出てるけど」
「…………」
思わぬ話を浴びせられたマルコは途中で噴き出した蕎麦を数本口の端から垂らした状態で固まっていた
そこに「あ、ちなみに今日ののブラ水色の水玉模様な」と追い打ちをかけるサッチ
一瞬頭の中に水色の水玉模様が広がったマルコだったが、なんとか理性でそれを消した
「……誰だよい」
「へ?」
「そのこと噂してた男どもって誰だよい」
噴き出した蕎麦をティッシュで拭うとマルコはなるべく平静を装ってサッチに問いかけた
「あー、俺が聞いたのはシャンクスとブルックが話してたときか。あとたまたまそこにいて話題に食いついてたのは2年のサンジだな」
「(あぶねぇ奴らばっかじゃねぇか)……全員ただじゃおかねぇよい」
「おーい、ちょっとちょっとマルコさん。口は笑ってるけど目は据わってるんですけど」
「ほっとけよい」
「まぁまぁ、ちょっと落ち着いて聞けって。お前がそういう反応になるのはわからなくもねぇけどよ。けど男ども蹴散らすより先に
お前からに注意して欲しいわけよ俺は」
「あぁ?」
サッチ曰く、が制服を正せば噂されることもなくなるだろうし校内の風紀も良くなるとのこと
確かに正論だ。マルコはシャンクス以下の胸のことを話していた男連中への怒りを少しだけ引っ込めた
「早いうちに言ってやれよ。ヒナ先生になんか見つかったら一発で指導室連れてかれるぞ、の奴」
「……だねぃ」
英語のヒナ先生が女子生徒の制服指導に厳しいのは有名なこと(『12:ひそかなエコヒイキ』参照)
ただでさえはスカートの短さで生徒指導班に目を付けられているのだ
彼らに連行される前に恋人であるマルコが先手を打ってを改善させてやるのが得策だ
マルコはサッチの助言をありがたく受け取ることにし、今日の内に彼女を呼び出そうと決め蕎麦をすすった
*
午後2時。窓の外を見ると生徒たちが帰っていくのが見える
補習が終わったのだろう。ということはそろそろか……
と思っていれば予想通り教員室のドアがコンコンとノックされ、次いでカラカラと控えめにドアが開かれた
「マールコ先生。お邪魔してもいいですかー?」
細く開けられたドアの隙間から顔を覗かせて声をかけるの姿が見えた
彼女は補習が終わると毎日のようにここへとやってくる
マルコがOKを出すとは二パッと笑って足取り軽く中へと入ってきた
「へへ、お邪魔しまーす」
はドアを閉めるとソファーにどさりと腰を下ろした
うーんと両腕を伸ばして背伸びをする姿は猫のようだ
「はぁ、涼しー。教員室サイコー」
「お前クーラー嫌いなんじゃなかったのかよい」
「うーん……まぁ扇風機の方が夏って感じがして好きですけど。たまにはクーラーの風も悪くないなと」
「そうかい」
は鞄から携帯を取り出すとメールが来ていないかチェックし出した
その姿をマルコはデスクの方からそれとなく見つめた
「お、エースからだ。なになに〜?」
「…………」
独り言を呟きながら携帯を操作する
そんな彼女を見つめるマルコの目は自然とその胸元へといってしまう
サッチが言っていたことが本当か自分の目でも確かめたくて思わずじーっと見つめてしまった
まじまじと観察するとマルコは顎に手を当ててふむと頷き一言
「確かに……パツパツだねぃ」
「はい?」
何を言われたのかわからないはマルコの方へ顔を向けて首を傾げる
マルコはじっと胸を見ていたことがばれないようふいっと視線をそらした
「……?変な先生」とが首を元に戻したのを機にマルコは再び彼女の胸元をチラ見する
確かにサッチが言っていた通りだ
のシャツの胸元には余裕がなく、ボタンはパツパツに張っていてシャツの合わせ目が左右に広がってしまっているのだ
その結果隙間からは下着がチラリと見えてしまっている
サッチが言っていた通り彼女の今日のブラは水色の水玉模様だ。夏らしい涼しげな色と柄で彼女に良く似合っている
などと思いながら、けれどマルコの顔はおもしろくないものに変わっていった
彼女の下着の柄を他の男から言って聞かされるなんておもしろいわけがない
それを知っている男は自分だけでいいはず。恋人を独占したいマルコらしい感想だ
「なぁ、」
「はーい」
マルコは携帯をいじる彼女に「ちょっと話があるんだけどよい」と声をかけた
は改まった風に話しかけられ携帯からマルコへと顔を向け「なんですか?」と訊き返す
「…………」
「先生?」
話があると言う割りになかなか切り出してこないマルコには首を傾げる
けれど不意に何かを察したが「はっ……」と顔を強張らせた
「ま、まさか……」
「……?」
「先生が居ない間に机の引き出し開けてこっそりご馳走になったチョコレートの金を払えとか……?」
「全然ちげぇ。……てかお前そんなことしてたのかよい」
「ちなみに言いだしっぺはサッチ先生です」
「(あの野郎……)まぁそのことは後で改めて訊くとしてだ。その……話ってのはお前の制服のことだ」
「制服?」
言われては顔を下へ向け自分の制服を見下ろした
「どこかおかしいですかね?」
「お前自分で気付いてないのかよい」
「……?」
何のことを言われているのだろう
わからないと首を横に振るにマルコはハァ……とため息をつく
そして指で一つ一つ指さしながら指摘していった
「まずはスカート。もうずっと言ってるがお前のそれは短すぎなんだよい」
「もう耳にタコができるほど聞いてますね」
「だったら改善しろよい。それからシャツのボタン。校則では開けていいのは2つまでだろい」
「おー、そういえばそんな校則あったかもしれませんね。んー……でも暑くて」
「暑いのはみんな一緒だ。甘えるんじゃねぇよい。それから……あー……」
「……?」
マルコはコホンとわざとらしい咳をすると指でそれとなくの胸を指さした
「お前、今日のブラ水色の水玉模様だな」
「……!なんで知ってるんですかそんなことっ?」
いきなり下着の色を言い当てられはほんのり頬を赤くして「マルコ先生エスパー?!」と彼を見上げる
「そ、それともまさか私の部屋に盗撮カメラ仕掛けてるとか!?」
「アホ言え。誰がんなことするかい」
「じゃあなんで……」
「あー、それはだねぃ。その……お前のシャツがパツパツで隙間から下着が見えてるんだよい」
「へ……?」
そう言われては顔を俯かせると自分のシャツの胸元を見た
そしてマルコに言われた通りになっているシャツの状態を確認すると「あ……」と間抜けな声を発した
「わかったかよい」
「き……気付かなかった」
どうして気付かないのか……。アホの子ここに健在でマルコはため息をつく
は「一体いつから?!」とさっきよりも赤くなった頬に両手を押し当てている
「うー……恥ずか死ぬ。いつからだろ……。てか先生はいつから気付いてたんですか?」
「あ?あー……いや実を言うと俺もサッチから教えられたんだけどねぃ」
「えーサッチ先生も知ってるってことですか!うわぁ……明日も補習あるのに……恥ずかし」
情報提供源がサッチであることは教えたが噂が職員室の男性陣の間で広まっていることは黙っておこうと思うマルコだった
これ以上に恥ずかしい想いをさせることはないだろうという彼なりの優しさだ
そんなことを知らないはといえば「むぅ……」と唸り声を上げるとおもむろに両手を自分の胸に当てた
それだけでなくもにもにと自分の胸を揉み始める彼女をマルコは「またアホの子が何かしてるよい」と不可思議な目で見つめる
「何してんだい」
「うーん……いえ、確かに最近ブラもなんかきつくなったなぁとは思ってたんですよ」
「ほう……」
「勘違いじゃなかったのか」
「でっかくなったってことだねぃ」
「やっぱりそういうことなんですかねぇ……よくわかんないけど」
「サイズ」
「はい?」
「測ってねぇのかい、胸のサイズ」
「ないです。めんどうなので」
「ずぼら過ぎんだろい」
面倒くさがりなに一言言ってやれば、は「身体測定でもなければ胸なんか測りませんよ」と言い返してくる
そういうものなのだろうか。女のことはわからない。マルコはそれ以上言わないことにした
だがそんな彼もその後のの呟きには口を出さずにはいられなかった
「先生が揉むから悪いんですよ……」
ぷくっと頬を膨らませてマルコに文句を言う
けれどその頬はほんのりと赤く、彼女が本気で不満に思っているわけではないことがマルコにはよくわかる
ただ言いたいだけなのだ。彼女の可愛い我儘にマルコはにやりと笑うと言ってやった
「チチ揉まれて気持ち良さそうにしてんのはどこのどいつだよい」
「きっ……気持ち良さそうになんかしてないもん」
「へぇ、本当かねぃ」
強がる彼女に悪戯したい気持ちがむくむくと膨れ上がってくる
マルコはわざとらしく硬い足音を立ててソファーの後ろに回ると彼女を背後から緩く抱きしめた
はまだ自分の胸に両手を押し当てたままだ。その上にマルコは自分の両手を重ねた
「マ……マールコせんせぃ?」
「ん?」
「何する気ですか……」
「チチ揉むつもりだよい」
「ハッキリ言いおった!」
慌てるを放っておきマルコは「どれどれ」と彼女の手ごと胸を揉み始めた
楽しそうなマルコとは裏腹には自分の手で自分の胸を揉んでいるわけだから恥ずかしくてたまらない
カァッとほっぺたも耳も赤くして「やだやだ!」とマルコに抗議する
「おー、確かに前よりでかくなってるねぃ」
「変態!スケベパイナップル教師!これ以上おっきくなりたくないのにっ」
「なに贅沢言ってやがる。でかくならねぇ奴だっているんだ。行くとこまでとことん行きやがれぃ」
「なにわけわかんないこと言ってるんですか、もう放してく・だ・さ・い・よぉ!」
「うおっと」
は勢いよく両手を広げマルコの両手を吹き飛ばした
それから両腕でがっちり胸をガードし真っ赤な頬をフグのように膨らませて怒った顔をマルコに向けた
マルコはやれやれと両手を挙げて白旗を振る
「なんだい、もう終いかい」
「ぶわーか、ぶわーか、マルコ先生のぶわーか」
「はいはい。まぁ冗談はこれぐらいにして。とにかくだ、お前は明日からそのシャツ着るの止めとけよい」
「ぶわーか……へ?」
「ワンサイズでかいシャツ着とけ」
マルコはの頭をポンポンと叩きそう助言した
余裕のあるサイズのシャツを着れば下着が見えることもないし胸の大きさも多少隠せる
着ている本人だって動きが制限されず着やすいだろう
けれどマルコの案には首を横に振って返事をした
「持ってませんけど」
「は?」
「ですからワンサイズ大きいシャツなんてないですよ。入学するときこのサイズで3枚買っちゃいましたから」
そう言っては今着ているシャツの両肩を軽く指で摘まんでみせた
に言われてマルコも冷静に考えればそれもそうかと思う
普通は同じサイズのシャツを揃えて買うものだ
男子ならば成長することを考えて多少大きめのものを買うかもしれないが普通女子の成長は中学初期で止まる
の場合身長は変わらないが胸だけが誰かさんのせいで育ってしまったためこういう事態に陥っているのだ
「ねぇのか」
「はい」
「じゃあ新調しろよい」
「え。えぇー……新しいの買うってことですか?うぅ……めんどう」
「このずぼら娘が。なんでも面倒くさがるんじゃねぇよ」
「だってぇ……お金もかかるし」
「そんなに他の野郎にブラジャー見せたいのかい」
「んなっ。そんなわけないじゃないですか!」
「ならなんとかしろい」
「うーん……むむぅ」
どうにかしろと言われは両腕を組んで頭を悩ませる
「ベスト着るとか……。いやダメだ熱中症になる。……うーむ」とブツブツ呟いている
そんな姿を見下ろしマルコはふぅとため息をつくのだった
さて、こののシャツパツパツ事件だが
この数日後、思ったよりも随分と早く解決することになるのだけれど
解決に至るまでの間に黒雲が押し寄せちょっとした嵐が吹き荒れることになるのはまた別のお話で
女子生徒の胸の話で盛り上がる職員室とは……
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