ドリーム小説
世の中不思議なことが起こるものだ
どういうわけか知らないがそれはある日突然
マルコの悪魔の実の能力【不死鳥】の力がに移った
正確に言うと、が不死鳥になってマルコが普通の人間に戻った
「すげぇ新発見だな!」
「あぁ・・・、海軍のDrもびっくりだろうよい」
マルコは両手の拳をゆっくり握ったり開いたりして自分の体を確かめる
サッチが興味深げに声をかける
「どうだよマルコ、ただの人間の感触は。何年ぶりだろうなぁ」
「はは。なんか落ち着かねぇよい」
今までは怪我しても再生の炎で復活できていたから
逆に言うと怪我することへの恐れが薄ぎそうで怖い
今は怪我をしないように周囲への警戒心がびんびんに高まっている
それはそうと・・・
「で。の方は?」
サッチに訊かれ、マルコは「あっちだよい」と親指で指し示す
マルコの指す方に視線を向ければ
「・・・落ち着かねぇどころの騒ぎじゃねぇよな、そりゃ」
「だよい」
甲板の隅っこで小さく丸まる蒼い炎の塊
蒼い翼を折りたたんで長い尻尾をしゅんと下げている
エースに頭を撫でられて慰められている姿はなんというか
「可愛いなぁ・・・」
思わずサッチはほんわか笑顔で本音をこぼす
マルコが不死鳥になったときとでは少し違う
が変身した不死鳥は一回り小さくて攻撃性も感じられず弱々しくて守ってあげたくなってしまう
マルコは不死鳥に近づき声をかける
「なんで必要もなく変身してんだよい」
「・・・っ」
「」
「だって、・・・制御できないんです」
顔だけぴょっこり出した彼女(今は鳥)の目元には涙が浮いていた
マルコは「しょうがねぇな」とため息をついての正面に胡座をかく
「ほれ、深呼吸」
「はい・・・」
「んで、人間に戻りたいって強く思うんだよい」
「・・・人間に。人間に」
「ほら。だんだん戻ってきたよい」
言われたとおり目を瞑って「人間、人間」と唱えていると蒼い炎が次第に消えて人間の形に戻っていった
けれど完璧には戻れなくて
「・・・尻尾が残ってるよい」
「えっ?」
「可愛いよい。ひくひく動いてて」
「や、やです・・・っ。戻してください」
「俺には戻せねぇよい。戻るには自分の意志次第だ」
再び人間にと目を閉じて祈る
その間も輪っかが繋がったような長い尻尾は上下に揺れていてマルコはなんだかうずうずしてきた
「猫じゃらしみたいだよい」
ニッと笑って何気なくむぎゅっとつかんでしまった
瞬間の体が跳ねた
「ひぁっ・・・ぁ、ん・・・っ!」
漏れ出たのは驚きの悲鳴・・・、というよりは甘い嬌声に近く
もびっくり、マルコもびっくり
変な声が自分の口から出たことにはボッと顔を赤らめる
「・・・なんつー声出すんだよい」
「わ、わざとじゃないです・・・」
「わざとだったら尚更たち悪ぃよい」
「・・・あの、尻尾放してほしいんですが」
「お前ぇ・・・尻尾が感じるのかよい」
「・・・わかりません。私も今知ったので」
わからないことだらけで落ち着かない
とりあえずはマルコから力の制御の仕方を教わった
戦闘能力の高いにはもともと素質があったらしく、一日足らずで人間⇔不死鳥の変化と飛び方をマスターしてしまった
「能力者の攻撃とか、普通の奴じゃ防げねぇような攻撃が来たら親父の防御を頼むよい」
「了解です」
今までマルコが担当していたポジションを頼まれ、の戦意が上がる
*
しかしそれから数日は大した敵も現れず、に移った不死鳥の力を使う機会は特に訪れず
「すげぇな、しかし」
「なんかマルコの時とちょっと姿が違うのは性別のせいか?」
「これ。尻尾とかふよふよしてて可愛いよなぁ」
「あ!だめです、尻尾さわんないでくださ・・・い、ひゃっ!」
船員たちにもてあそばれて平和に過ごしていた
それから三日後
の不死鳥の力を使う機会がやってきたのは小雨が降る昼下がり
懸賞金8000万の船長率いる海賊団が白ひげ一軍に奇襲をかけてきた
戦闘力で白ひげ一軍が引けを取ることはなく終始優勢だったが
(くそ・・・っ。完全に能力慣れしてるよい・・・)
戦闘の合間合間にマルコは舌打ちを繰り返す
長い不死鳥人生に慣れていたせいで防御しなければという感覚が落ちていた
腕や頬に無数の切り傷を作りながら敵の攻撃をかわす始末
(情けねぇったらねぇよい・・・)
チッと何度目かの舌打ちをして飛んできた砲弾を一刀両断にした直後だった
いつの間に向けられていたのか、散弾銃がマルコに向かって火を噴いた
連続した銃声音がけたたましく鳴り響く
「マルコ隊長・・・っ!!」
「ちっ・・・!」
隊員が叫ぶ声が聞こえた
瞬間、マルコの視界を蒼い炎が覆い尽くした
「・・・!・・・!?」
マルコの前に立ちふさがり彼を守ったのは不死鳥に変身した
無数の銃弾はすべての体の中へ
蒼い炎に無数の穴が空くものの、それらはすぐに再生の炎とともに消えていく
「・・・う・・・っ」
傷は癒えるとわかってはいても、攻撃を受けることに慣れていないは散弾銃の攻撃の反動でよろけてしまう
マルコとの戦闘経験の差が出てしまった
の体は不死鳥から人間へと少しずつ戻っていくものの、よろけて意識を失った彼女はそのまま海へ落下していった
今の彼女は能力者・・・海に落ちても泳げない
「・・・っ!!」
手すりから勢いよく身を乗り出し、マルコは落下していくの名を力一杯呼んだ
君が見た世界を見たかった
瞼の裏が眩しい
重たい瞼を押し上げると医務室の白い天井が視界いっぱいに広がった
ついで感じるのは体を覆う気だるさ
「あら。目が覚めた?」
ナースの手が額に置かれは細く開けた目をそちらへ
ナースがにっこりと微笑む
「・・・戦闘は?」
「終わったわ。私たちの勝利でね」
「そう、・・・ですか」
か細い声で返事をしては静かに目を閉じる
そして細く長いため息をついた
「私・・・海に落ちたんですよね?」
「えぇ、そうよ」
「・・・」
「どうかした?」
「・・・いえ。まぁ分かってはいましたが、能力者って不便なんだなぁと」
そう言うとナースが肩を揺らして笑った
ナースがカルテに何か書き込む間、はずっと天井を眺めていた
「私・・・全然役に立てませんでした」
ぽつりとこぼす本音
ナースが書く手をとめてちらりとを見やる
「悪魔の実の能力があっても使いこなせなければ意味がないです」
「そうね」
「情けないです・・・」
「どうして?」
「隊長の能力をお借りして何もできず・・・隊長の顔に泥を塗ってしまいました・・・」
幻獣種の力を持ちながら戦闘で役に立てないなんて
自分が情けなくては手のひらを上に向けて目を隠す
落ち込むに、ナースが苦笑して慰めてくれた
「仕方ないじゃない?向き不向きがあるし、一朝一夕で習得できるようなものじゃないでしょう」
「・・・それは、そうですが」
「マルコ隊長がどれほどの鍛錬を重ねてきたのかを理解してあげられればそれでいいんじゃない?」
「・・・・・・はい」
ナースの言葉が身にしみる
は唇を噛みしめる
※続きます
おかしなことが起こるのもすべて夢小説だからですね。便利です
ヒロイン、実は隠れエッチぃ性格という裏設定
マルコに開花されて徐々にやらしくなってきてくれて嬉しいです
BACK
SEO
掲示板
[PR]
爆速!無料ブログ
無料ホームページ開設
無料ライブ放送