ドリーム小説
※『君が見た世界を見たかった』続き
1時間ほど休ませてもらった後、は医務室を後にして甲板へ戻った
そこは戦いの痕がむざむざと残っていた
床には無数の剣や矢が刺さったままで所々に血の痕も
「。もう起きてもいいのかい?」
声をかけてくれたのは16番隊隊長のイゾウ
和服を着崩し綺麗に結った黒髪も所々ほつれており戦いの痕がよく見える
「はい、ご迷惑おかけしました。・・・イゾウさん、何をしてるんですか?」
「戦利品の物色さ。お相手さん、どうやら銃器の密売もしてたらしくてね。旧式から新型まで選び放題だよ」
「へぇ。銃器の」
「あぁ。ほら。あれがお前を苦しめた奴だろう」
煙管をふかしながらイゾウが顎で指し示した先にはが傷を受け海に落ちた原因の銃器が
今はイゾウの部下たちが物珍しげにいじっている
「ガトリングガン。滅多に手に入らない代物だよ」
イゾウは興味津々だが、あれの攻撃を受けたとしてはしばらくは見たくもない代物だ
「おい、お前たち。こっち向けるんじゃないよ。まだ中に弾薬が残ってたらどうするんだ」
「へい!すいやせん」
「あ、大丈夫ですよ。私今どんな攻撃受けても平気なんで」
再生の炎で傷はいくらでも癒せる
へらへらと笑って手を振っていただが、この後すぐに彼女をヒヤリとさせることが起きる
「あ、あれ?・・・うわ、やべぇっ!!」
「まずい!!た、隊長!さん!逃げてください・・・っ、残り火が!!」
銃器をいじっていたイゾウの部下たちがにわかに慌てふためく
何があったのかは彼らの青ざめた顔を見ればわかる・・・・・・火縄に点火してしまったのだ
「暴発します!逃げて・・・!」
「何やってんだい馬鹿がっ」
「イゾウさん、わたしの後ろへ!」
もはや避ける時間などないから、ならば受けるしかない
大丈夫、死ぬことはない、すぐに再生できる、だから変身しなきゃ
そこまで一気に思考回路を巡らせたはしかし体に違和感を覚える
どんなに願っても願っても自分の身体が不死鳥に変化してくれないのだ
(どうして・・・!?)
が表情を強ばらせた瞬間、聞き覚えのある連続銃声音が響き渡った
ガガガガガガガガッ!!!
「・・・、・・・っ!!」
迫り来る無数の弾丸
死を覚悟しては両手を広げてイゾウの前に立った
瞬間、目の前に蒼い炎の鳥が立ちふさがった
「・・・え・・・?」
銃弾はすべて蒼い鳥の身体の中へ
無数の穴の空いた鳥は、しかしすぐに再生の炎で元に戻っていく
呆然とするの前で次第に人間の姿に戻っていく、見慣れた背中、金色の髪
彼が首を後ろに向けてあきれた顔で見下ろしてくる
「ったく。危機一髪だよい」
「た、隊長・・・?どうして」
「説明は後だよい。おい、お前ぇら!!ちょっとこっち来い!!」
何が何だかわからず呆然とするを他所に、マルコはイゾウの部下たちを呼びつける
マルコに呼ばれた者たちは彼が放つ覇気に先程よりも顔を青ざめさせる
「わかってんのかよい!?お前ぇらあと少しで人ひとり殺すとこだったんだぞい!!」
「は、はい・・・っ」
「すみませんでした・・・!」
「ったく」
「マルコ。私の監督不行届だよ。悪かったね」
「イゾウの部隊か。なら後はお前ぇに任せるよい」
「あぁ。きつくお灸を据えておくよ」
イゾウにじろりと睨まれて部下の船員たちは身をすくませる
後は彼に任せるとして、マルコは呆然としているの頭をぽんぽんと叩いた
「どこも怪我してねぇかい?」
「え・・・、はい。全然まったく。・・・と言いますか」
「んぁ?」
「あの・・・隊長、能力が・・・?」
「あぁ。完全に戻ったよい」
「あ、そうですか・・・。あれ?ってことは私は・・・」
「前と同じだよい。普通の人間になってるはずだ」
「あ・・・やっぱり」
ということは、ということは・・・
さっきの銃弾、もしマルコが盾になってくれていなかったら・・・
「・・・、・・・っ!!?」
サァッ・・・との顔から血の気が引いていく
背筋がヒヤリどころかぞくりとした
*
悪魔の実の能力が完全に元通りになった
マルコは再び不死鳥マルコへ
は再び普通の戦闘員へ
でも一体いつの間に、どうやって?
「俺にもわからねぇよい。戻ったのはついさっき。海に落っこちたお前ぇを助けて、それからさ」
「あ。やっぱり隊長が助けてくださったんですね。ありがとうございました」
「どういたしまして。ひっさびさに海で泳いだよい」
マルコはニッと笑ってみせる
自力で海で泳ぐなんて悪魔の実を食べて依頼のこと
それはさておき二人はもっと詳しいことを訊くべく船医のところへ向かった
年老いた小柄なドクターは食堂で酒を煽っていた
「これはあくまで仮説じゃがな」
ドクターの真正面にマルコとは座って説明を聞く
「能力の入れ替わりがあったのには何か原因があるはずなんじゃ」
「原因?」
「さよう。お前さんたち二人の間に何か特別なことはなかったかね」
「・・・?」
「特には思いあたらねぇよい」
「そうかね。しかし、能力が元に戻ったということは、入れ替わる原因となった出来事を再び再現したはずじゃが」
説明の合間に年老いたドクターはぐびりとラム酒を煽る
マルコとは顔を見合わせ二人仲良く首をかしげる
心当たりはない
「・・・何かありましたっけ?」
「・・・いや、さっぱりだよい」
「そうかね。意外と当事者のお前さんたちでは気づかんものじゃよ」
「え?」
「ってことはドクターはわかってんのかよい?」
「まぁなぁ」
もったいぶるようにドクターは酒瓶に口をつけたままにやりと笑う
なかなか答えを言わずぐびりと酒をあおって二人をせかす
「ドクター、教えてください」
「んー?・・・まぁ隠すことでもないがな」
きゅぽんと瓶を放し、ドクターは二人を交互に見てまたにやりと笑った
「接吻、じゃ」
「へ・・・?」
聞き慣れない古めかしい言葉には首を傾げる
マルコはわかったようで「ははぁ・・・」と頬杖ついて感心している
ドクターは肴のサラミを指でつまみ、あーんと行儀悪く上から口に放り込んで咀嚼しながら説明を続けた
「なんじゃ、お嬢はわからんのか。世代の違いかのぅ。マルコはわかっとろう?」
「まぁな」
「えと・・・」
「簡単に言えばキスじゃよ」
「・・・へ・・・?」
の目が点になる
言葉を理解するや、途端の耳がぼわりと赤くなった
横で頬杖ついていたマルコはそれを見てにやりと笑い、「お子様の反応だよい」と茶々を入れる
ドクターは二枚目のサラミを掴んで行儀悪くその指でマルコをさす
「マルコ。お前さんお嬢を海から引き上げた後、人工呼吸して彼女を助けたんじゃろう?」
「あぁ」
「それでマルコに不死鳥の能力が戻ったということは、つまりそれ以前にお前さんたちの間で接吻を交わす機会があって、その時にマルコの力がお嬢に移ったと考えるのが自然じゃろう」
「なるほど。確かにこの間の夜にキスされたし・・・、それなら納得できるよい」
「・・・え?ちょ・・・待ってください。なんか突然たくさんの情報が入ってきて・・・私混乱して」
「ならよい、ドクター。俺とがまたキスしたら能力はまた移っちまうのかよい?」
「いんや。きっともう免疫ができてるはずじゃ。移ることはあるまいよ」
「そうかい。ならもう気にすることなくを好きにできるわけだ」
「そういうことじゃな。楽しい夜をお二人さん。程ほどにのぉ」
「わかってるよい」
「ちょ・・・ストップストップです!勝手に二人で話を進めないでください!」
赤い顔で目を回してあわあわするを他所にマルコは一人にやり
「な、なんなんですか・・・、どういうことですか!?」
「何慌ててんだよい」
「まずは人工呼吸が何のことか教えてください・・・っ、私知りませんよそれ!?」
「あー・・・却下。説明すんの面倒だよい」
「面倒って・・・なんですか!」
「ページが足りねぇんだよい。後はお前ぇの賢い頭で今までの流れから自由に考えろい」
「な・・・、扱いひどいですね!」
というわけで、まとめは3ページ目で(by 作者)
神様の気紛れと悪戯に踊らされてるだけ、それが人生
※イゾウさんの一人称は「私」でいいんだろうか・・・?
キスするたびに能力が入れ替わっていたら大変だろうなぁ
エッチとかしたら中身までごっそり入れ替わってしまうのでは?
朝起きたら
「あ、あれ?私がもう一人いる・・・」
「・・・俺がいるよい」
「え・・・まさか」
「・・・中身入れかわっちまってるよい」
「ひぇ・・・!た、隊長。私の顔でよいよい言葉使わないでください!あと胡座かかないで!は、裸なんですよ!?」
「お前ぇこそ俺の顔で女言葉使うなよい。あと胸隠すな。隠すなら下隠せよい」
想像したらちょっとおもしろかった・・・(笑)
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