ドリーム小説
※サッチ視点
一番隊の隊員に可愛い子がいる
小柄で可愛いけど立派な戦闘員
年が近いせいかエースと仲がいい(おじさんはちょっと羨ましかったりする)
「おーい、サッチ。どこ行ったか知らねぇか?」
マストの上から見張りのエースが叫ぶ
上を見上げて「見てねぇなぁ」と一言
「そうか。わかった」とエースは向きを変えて今度はハルタに同じこと叫んでる
(?そういえば昼過ぎから見てねぇな)
ポケットに両手つっこんでなんとなく船内を散歩してたわけだが
ガタガタッ
いきなり倉庫から怪しい物音!
「・・・?」
ねずみでも暴れてんのか?
けどその割りにはでかい物音だった
ちょっと警戒して倉庫の扉を睨む
しばらくしてキィと軋んだ木の音を立てて扉が開いた
「・・・マルコ?」
現れたのは南国の果物みてぇな頭した同僚
機嫌が良いのか悪いのか、よくわからねぇが漏れ出る気は荒れてる
「おぅ、サッチかよい」
「何してんだ、んなとこで」
「いんや別に」
「別に?」
歯切れの悪い返答だ
けど別に深く詮索するつもりはねぇ
「ふーん」と言ってやり過ごそうか思ったけど
すれ違ったときマルコの唇は妖しく弧を描き
「ただの躾だよい」
ぼそりと一言こぼして去っていった
「・・・しつけ?」
振り返り奴を見る
マルコの背は飄々としていた
遠くなる奴に「あぁ、そうだ」と思いだして声をかける
「マルコ。見かけなかったか?」
遠くなっていくマルコは振り返らず
歩きながら左手を気だるげに挙げてヒラヒラと振ってみせる
知ってるのか知らないのかよくわからんジェスチャーだ
(なんだあの野郎?)
首を傾げ、倉庫の方に向き直る
マルコの「しつけ」の意味がわからず、とりあえず倉庫の中へ
キィ
軋んだ木の音の内側へ
中は薄暗くてちょっと肌寒い
橙の裸電球がぶら下がって揺れているだけ
木箱が無数に積み重なって、ちょっとした巨大迷路みたいになってる
そんな中にうっすら感じる、人の気配
「誰かいるのか?」
「・・・・・・」
沈黙をもって応えた気配あり
感じたことのある気配に、侵入者ではないと知る
ガタッと物音がして、おそるおそる現れ出たのは
「・・・?」
エースが探していた娘だった
は右手で首の頸動脈あたりを押さえていた
「どした、こんなとこで」
「・・・いえ・・・、何も」
「・・・?」
いつものじゃない気がした
声が震えてる・・・っつーか、何かに怯えてるような感じ
けど恐怖に囚われてるのとはまた違うみたいで
「なんだお前。熱でもあんのか?」
「・・・っ」
手を伸ばして彼女の額に押し当てれば、何が怖いのか一瞬びくりと肩が震えた
熱はないようだが顔がやや赤い
相変わらずは首から手をどけない
「首、どうしたんだ?怪我でもしたか」
「・・・や、大丈夫です」
「ムカデにでも食われたか?」
「・・・、・・・」
「船医んとこ行くか?」と訊けば、はゆるゆると首を振る
それきり黙ってしまい埒があかないので
とりあえず頭を掻いて
「あぁ、そうだ。エースが探してたぞ」
「エースが・・・。わかりました」
はぎこちなく笑って俺の横をすり抜ける
彼女が倉庫の扉の前まで辿り着いたちょうどそのとき、船内警報が鳴った
『左舷から横波発生!揺れるぞ、つかまれー』
船体がぐらりと大きく揺れた
「おっとっと」と手近の木箱に手をついてバランスをとる
ちらりと見るとも同様にしていた
彼女の手が首から離れた瞬間を俺は逃さず見てしまう
彼女の細く白い首筋にくっきりと残る、それは赤い斑点
女の柔肌に残るそれはキスマークなんて可愛らしいもんじゃなくて
(・・・おわ・・・)
鬱血するぐらい強く噛まれた、真っ赤な歯形
首から手を放してしまった
俺の視線が首にいってるのに気付きハッとして、それからすぐに泣きそうな顔に変わった
「・・・み、見えちゃいました・・・よね?」
「・・・お前」
「・・・サッチさん・・・、」
泣きそうな顔、泣きそうな声
気になったのは誰がやったのか
けどそんなの考える間もなく答えが出た
(・・・あのクソ鳥か)
を溺愛してやまない死なない鳥
さっき倉庫から出てきたときの奴のオーラの意味も合点がいく
「・・・、・・・っ」
再び首を押さえて俯いておろおろしている彼女が可哀相になってくる
「何が躾だか・・・」
「・・・?」
「いや、・・・何でもねぇよ」
苦笑いしての頭を叩いてやって
大体の事情はわかったよ、と視線で言ってやればに伝わったようでホッとしてますます泣きそうな顔に
「・・・うぅ・・・っ」
「なんだ、まぁ・・・あれだ。頑張れ、」
「・・・サッチさん・・・っ」
「後で絆創膏持ってきてやっから」
大変な奴に惚れられたものだ
可愛い妹に同情しつつも
けど俺はちっとばかし落胆したりもしたわけで
ハイエナになる勇気はない
(喰っちまいたいくらい惚れてるってことかよ・・・)
相手が悪すぎる
横取りする気なんておきやしねぇよ
※昼飯時のマルコの様子がおかしかったので(欲情してたっぽい)
が何かされるかもと心配してエースは彼女を探してたってお話
エース保護者
マルコがどんどん獣化していく
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