ドリーム小説
晴れた空
輝く太陽
穏やかな昼下がり
突然上がる水柱
「うぉい!エースが海に落ちたぞー!?」
無様だって、笑ったっていいよ
「は!?マジかよ、あいつ泳げねぇだろ!」
「おい、誰か助けに行ったか!?」
悪魔の実の能力者はカナヅチなのでこういうときが大変なのだ
甲板であたふたする男たち
誰が行く誰が行くとバタバタする中、男たちの横をすり抜けて華麗に海にダイブした者がいた
「おい、誰か行ったぞ!」
「誰だあれ!?」
「あ、・・・だ!」
蒼い海の底へと消えていくのは綺麗な銀色の長い髪
船から身を乗り出し、男たちは口元に手を当てて叫ぶ
「、気をつけろ!この辺海王類の巣があるぞ!!」
船底を泳ぐ巨大魚の影
みなが緊張して待つ中、しばらくしてぐったりしたエースを抱えたが海面に顔を出した
「ぷはっ・・・!」
「だ!背中にエースもいるぞ!」
「うぉぉ!よくやった、!」
「引き上げお願いします、急いで!エースが・・・っ!!」
船の上からバサリと梯子が降ろされる
梯子を下りてきた仲間にはエースを託す
びしょびしょに濡れたエースを甲板に寝転がせたが、彼を囲む者たちはみな顔を青ざめさせた
ぴくりとも動かないぐったりしたエースはなんと心肺停止状態だったからだ
「こりゃやべぇ・・・っ」
「早く船医呼んでこいや!」
「待ってください!それじゃ間に合いません、息が止まってから数分経ってます!貸してください・・・!」
「お、おいっ」
後から梯子を登ってきたが息切れしながらエースの横に座り込む
そして皆が見守る中・・・
*
「で?が人工呼吸と心臓マッサージをしてエースを蘇生させた、と。そういうことかよい」
夕方、買い出しから戻ってきたマルコは昼にあった小事件の内容を聞き、内容を聞き・・・
「・・・へぇ」(怒)
(・・・やべぇ。マジ怖ぇ)
(マルコ隊長・・・目据わってるぞ)
静かに、しかしめちゃめちゃ激怒しているのだった
「そうかい、なるほど。が人工呼吸でエースを助けたわけだ。・・・・・・そいつぁよかったよい」
「・・・、・・・っ」
本当によかったと思っているのか
マルコの目は笑っていない
背後で蒼いオーラが燃えている
船員たちはマルコの怒りのオーラにあてられ顔を青ざめさせる
マルコの頭の中ではとエースの人工呼吸の様子がリアルに映像化されていたわけで
(・・・見なくて、よかったよい)
その場にいなくてよかった
もしその現場を生で見ていたら、きっとエースを殺しかねなかった
そんなマルコの苛々は夕食時まで続いた
マルコから離れた席でエースとが向かい合って夕食をとっている
エースはに向かって両手を合わせている
きっと「ホントにありがとな」とお礼でも言っているのだろう
も手を振って「どういたしまして」と言っているのがわかる
それをチラチラと(羨ましそうに)眺めるマルコに、彼の正面に座ったサッチとジョズが苦笑する
「マルコ。なんて面してんだよ、まったく」
「・・・あ?」
「もうその辺にしとけって」
「あぁ。は本気でエースを助けようとしたわけで、邪な気持ちはねぇんだぞ?」
マルコが命なことは二人とも知っている
だから彼の嫉妬が理解できない訳じゃない
「わかってるよい・・・」
「本当かよ?」
「あぁ」
「わかってんならなんで半獣化してんだ」
「・・・」
テーブルの下
不死鳥のかぎ爪になってしまっているマルコの足をサッチが蹴っ飛ばす
勝手に変身してしまう自分を抑えられないほどマルコの精神はいっぱいいっぱい
テーブルに頬杖ついてマルコは余計にムスッとする
「だってよい・・・」
人工呼吸っていったらアレだろうよい
マウストゥーマウス
つまりはが自分からエースにキ・・・スしたってことで
「ぬぁぁ・・・っ!」
想像したくもねぇとマルコは頭をガシガシと掻きむしる
サッチとジョズは「駄目だこりゃ・・・」とお手上げ
暴走寸前の一番隊隊長
苛立つマルコに珍しく白ひげが茶々を入れた
「グラララ。若ぇなぁ。なぁ、マルコ」
「・・・からかうなよい、親父」
白ひげは大樽で酒をがぶがぶと飲みナースに止められながらも上機嫌に肩を揺らしてマルコを見下ろす
「まったく。そんなに納得できねぇんなら、お前ぇが海に落ちてに助けてもらいやぁいいだろうが。あ?マルコ」
「ん、んなみっともねえ真似できねぇよい・・・」
「んならお前ぇが引くしかねぇなぁ」
「・・・」
白ひげが言っていることは正しい
マルコは唇を尖らせる
「船上の色恋沙汰にとやかく口出すつもりはねぇがな。わかってるだろうが、は俺の大事な娘だ」
「・・・」
「そんでもって、お前ぇは大事な大事なクソ息子だ。ふたり、仲良くやんな。マルコ」
「・・・おぅ」
親父に怒られたら息子は黙るしかない
サッチもジョズも苦笑して肩をなで下ろす
*
白ひげに諭されたこともあり、マルコはしばらくに近づくのを自粛することに
マルコのへの愛を知っているサッチやジョズ、エースからすれば驚くべきことだ
「しばらく頭冷やすよい。エース。悪かったよい。みっともねぇ嫉妬して」
エースに対しても表情や態度で苛々をぶつけていただけに一応謝罪を
マルコの気持ちを知っているエースとしては気まずいばかりだったが
そんなふうに素直に謝られては責められもしない
「いぃや。落ちた俺も悪ぃさ」
「気ぃ遣わせて悪かったよい」
エースに背を向けるマルコの背中はどことなく寂しそう
手をひらひらさせてマルコは何処かへ
それからの数日間
船内が何か変わったかといえば特に変わったことはない
変化があったと感じる者がいるとすれば、それはだけだろう
マルコからちょっかいを出されることがなく平穏な日々が続いているのだから
※変なとこで区切ってすみません。続きます
次回、二人の関係にちょっと変化あり?
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