ドリーム小説
島田先生と私は教師と生徒。
だから私たちが付き合っていることは皆には絶対に内緒なのです。
校内で知っているのは保健室のシチロージ先生だけ。
もしもばれたら大変なことになるから、だから付き合う上で先生と約束をしました。
「校内では絶対に恋人のような触れ合いはなし」
手を握ることもなく、キスなんてもってのほかです。
でも最近会議やら出張やらで先生は忙しく、土日もまともに会えていません。
先生・・・・・、一度くらいの我侭、許してくれませんか?
学 園 狂 想 曲
本が好きなの係は、図書委員。
仕事は金曜日の放課後、6時まで図書室のカウンターに座ること。
最近は本を読む生徒がめっきり減ってしまい、5時を過ぎればたいていは図書室に彼女一人。
誰も来ないのだから時間の無駄といえば無駄なのだが、律儀なは閉室時間まできちんとカウンターに座る。
静かな図書室で大好きな読書に耽る。
彼女の楽しみはそれ以外にもう一つある。
閉室10分前、5時50分になると毎週必ず島田先生が迎えに来てくれるのだ。
高校生ですでに一人暮らしをしているを、金曜日だけは特別に車で送っていってくれる。
だが先週も先々週の金曜も先生は出張でいなかった。
だから今日もだめかなと思っていたところに、出張を早く終えた先生がわざわざ迎えに来てくれたのだから。
数週間ぶりに2人きりになれて、の顔にはこれ以上ないほど笑みが広がる。
久しぶりの逢瀬はきっと甘いものになる、そう思っていたのに。
どういうわけか今、カウンターを挟んで2人は苦い顔をしていた。
「だめだ」
「・・・どうしても、ですか?」
「だめなものはだめだ。約束したであろう?」
「・・・はい」
は哀しげに睫を伏せる。
久しぶりにゆっくり会えたのだから、「あの約束」はわかっていたけれど少しくらい甘えられるかと期待して。
『キ・・・キスしてほしい、です』
奥手のが勇気を振り絞ってねだったのだが、彼女の願いは即却下されてしまった。
「あの・・・1回だけ」
「だめだ」
「ほ・・・頬でもいいです」
「何度も言わせるでない」
「・・・・・」
カンベエの態度は全く変わらず、頑としている。
どうしてそんなに頑なに拒まれるのだろう。
目が合えば、カンベエの目は「だめだ」と言っていた。
そこまで頑なにされると会えた嬉しさもしぼんでいく。
むしろ少し腹が立ってくる。
「・・・わかりました」
「」
「わかりました・・・我侭言ってすみませんでした」
彼女らしくないぞんざいな言い方だ。
はカウンターを出て、今日返却された本を棚に戻すべく足早にカンベエから離れた。
寂しさと怒りを露わにする彼女の背中を見てカンベエは一つ嘆息して追いかける。
「」
「・・・・・」
「待たぬか、」
の手首を掴んで自分の方に振り向かせる。
彼女は泣きそうでいてだが不満げな目をカンベエへと向ける。
「放してください・・・」
「お主は。何を怒っておるのだ」
「怒ってなどいません・・・」
「怒っておるではないか」
「いません・・っ」
強い口調で抗議すれば、を見下ろすカンベエの顔が余計にうんざりというものに変わるのが見えた。
自分の我侭がカンベエを辟易させているのはわかっているが、それでも胸がずきりと痛んだ。
唇を引き結んで耐えていれば、意思に反して彼女の左目からぽたりと涙が零れ落ちた。
こんなことで泣くなんて恥ずかしい、と慌てて下を向く。
だがカンベエの手が顎に添えられて強制的に上を向かせられてしまった。
「何を泣いておる・・・」
「泣いてなどいません・・・」
「言いたいことがあるのなら、はっきりと言ったらどうだ」
「・・・っ」
「どうした」
「・・島田先生は・・っ」
自分と会えなくて寂しくなかったのか、と。
こんなにも長い間触れられなくて寂しくなかったのか、と。
言いたかったことが堰を切ったようにの口からこぼれだす。
「私は、寂しかったです・・・・寂しかった」
「・・・・・」
「先生と2人になりたかったし・・手も繋ぎたかったし・・・・それからっ」
「もうよい・・」
「キ、キスだって・・・したかった、のにっ」
顎を支えるカンベエの手を払って、俯いて図書室の床を見つめた。
先生は違うのだ。
先生は大人だから、こんなことで悩んだりしないのだ。
自分も早く大人になりたい。
我侭なんて言わず、先生を安心させられるような大人の女性になりたい。
言いたいことを言ってしまえば何だかすっきりしてしまい、同時に自分の我侭を見つめ直して反省もできた。
一時の感情で彼を困らせた。
こんなこと言うつもりじゃなかったのに。
喧嘩なんかするつもりじゃなかったのに。
子どもな自分が恥ずかしくて、すんっとひとつ鼻を鳴らして俯き加減でカンベエに謝った。
「・・・・ごめんなさい」
「・・・・」
「ごめんなさい・・先生・・」
謝れどもカンベエからの返事はない。
彼を怒らせた。
久しぶりに会えたのに、カンベエを怒らせて気まずい雰囲気を作ってしまった。
大好きなはずの金曜日の放課後を嫌いになってしまう。
またじわりと涙が浮いてきて袖口で拭おうと上げた手を、不意にカンベエに掴まれた。
思わず持っていた本を落としてしまい、弾かれたように顔を上げる。
カンベエの表情を見る暇もなく、本棚に背を押し付けられて彼の足が両膝を割って入ってきた。
頭の後ろと腰に手を回されて、夜の蜜事でされるような荒く奪うようなキスをされた。
驚いて目を見開く彼女にはお構いなしに強引なキスは激しさを増して彼女の熱を上げていく。
自由になった手で彼の胸を叩いて抗議して、ようやく唇を解放された。
「や・・な、何を!放してください・・っ」
「腰が抜けて立てぬくせに何を言う」
「・・・・っ」
図星だ。
膝が震えて一人では立っていられない。
非難めいた目でカンベエを睨んでも、彼にとってはひよこの威嚇ぐらいにしか思われていないらしい。
不敵な笑みで一蹴されてしまう。
カンベエの唇が彼女の頬に、首にと落とされていく。
キスで高められた熱が体の中で燻っていて、彼の熱い唇に触れられるたびに静かな図書室に甘い声が漏れてしまう。
唇と歯で耳たぶを舐られて、耳に息を吹き込むように囁かれた。
「わしが何ゆえ校内でお主に触れぬか、わかったか」
「・・・ぇ・・?」
首を仰け反らせて熱にうなされた横目をカンベエに投げやる。
それはの無意識の行動だったが、カンベエの熱を高めるには十分な艶を帯びていた。
出会った頃は何も知らぬ初心(うぶ)な少女であったのに。
にこんな目をさせるまでにしたのは言うまでもなくカンベエである。
そしてそのツケが今こうして自分に返ってきているのである。
「最後までしてやることができぬこの状況では、お主を困らせるだけだ。それに」
「・・・ん・・」
「何より、一度触れたら己をとめられなくなるからな」
「え・・・あの・・・せ、先生っ?!」
彼女の後頭部を支えていたはずのカンベエの手が、いつの間にか彼女の足を撫で上げていた。
腿を這う手がスカートの中にまで入ってきて流石のも慌てる。
まさかここでするつもりなのか、と彼女の目に途端に不安が入り混じる。
確かにたきつけたのはだが、校内で最後までする勇気などない。
内心酷く動揺していれば、見つめる先のカンベエの顔に、悪戯に成功した少年のような笑みが浮かんだ。
足を撫でていた手も腰を抱いていた手も離れていき、カンベエはスーツのポケットに手を差し入れた。
取り出した見覚えのあるキーをの手におさめさせる。
何度も見ているから知っている、それは彼の車のキーだ。
「・・・先生?」
「先に職員駐車場へ行って中に入っておれ。わしもすぐに行く」
「え・・?はい・・・・あの」
「お主に選ばせてやろう」
今日一番の不敵な笑みを浮かべて、カンベエはの耳元に顔を寄せて究極の選択肢を投げかける。
「今ここで、車の中、わしの部屋。さて。どれを選ぶかね?」
「・ど、れ?・・・・〜〜〜っ?」
ぼんっと、音を立てての耳が真っ赤に染まる。
どれを選んでも行き着く先は決まっているではないか。
思わず持っていたキーを落としてしまい、ちゃりんっと金属音を響かせた。
それを合図にしたように図書室中に鳴り響く生徒完全下校のチャイム。
静かな図書室に鳴り響く鐘の音の中で、彼女は選んだ答えをカンベエに告げる。
爪先立って彼の耳元でこそっと答えれば、カンベエの唇が嬉しそうに笑みを作る。
「」
「な・・・なんでしょうかっ?」
「明日一日何もできぬ覚悟は?」
「・ぁ・・あり、ます・・・っ」
真っ赤になって俯きがら答える彼女はこれ以上ないくらい可愛くて愛しくて。
彼女の頭を引き寄せて、さらさらの髪に口付けた。
さて。ところで。
彼女がどの答えを選んだのか。
秘密の答を知っているのは、もちろん彼だけ。
つ ぶ や き
すみません早まりました許してください・・・・っ!!
苗字で呼ばれるのもいいかなぁと思って。その根拠は・・
島田先生が彼女を「」と名前で呼ぶのはベッドの中だけ・・・なんてね(あほ。
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